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「志向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

志向の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
花吹雪」より 著者:太宰治
あるようではないか。この世に無用の長物は見当らぬ。いわんや、その性善にして、その志向するところ甚だ高遠なるわが黄村先生に於いてをやである。黄村先生とは、もとこれ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
」を葬って、年齢にかかわりなき「永遠の若さ」をもって生きゆかんことを今後の自分の志向となしている。自分は自分の青春と別れを告げんと欲するに臨んで、じつに無量の感....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
農本主義は、特に封建的な生産様式の根幹をなす農業生産を原則とする処の封建主義へと志向せざるを得ないのである。 こうしてここでは市民社会の現実に即して、問題は封....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ものとの関係をどう考えているか。意識は意識外のもの――対象・存在・其の他――への志向性を持つことによって物理現象から区別される。だが両者の関係はこの場合は、単な....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
カンジダを読んで苦笑したものだが、私が先生をしているとき、不幸と苦しみの漠然たる志向に追われ、その実私には不幸や苦しみを空想的にしか捉えることができない。そのと....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
鉢巻、白兜の人が彼を迎えに来るという望を起すことが出来ない。彼が持っていた抱負、志向、希望、前途がただ一筆で棒引されてしまった。閑人のお布れが行届いて、小D、王....
学生と生活」より 著者:倉田百三
いう考え方はこれは天国的なものでなく、悪魔の考え方である。 しかし童貞を尊び、志向を純潔にし、その精神に夢と憧憬とを富ましめるということは、青年の恋愛にとって....
学生と読書」より 著者:倉田百三
であろう。 われわれは生の探求に発足した青年に、永遠の真理の把握と人間完成とを志向せしめようと祈願するとき、彼らがいずれはその理性知を揚棄せねばならぬことを注....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
らぬ。心霊の高貴とか、いのちの不思議とかいうようなものは、物質を超越しようとする志向の下に初めてなりたつ事柄で、物的条件をエキスキュースにしだしては死滅してしま....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
った。まだ思案がついていないのではないか、と青木は思った。しかし、記代子が漠然と志向しているものは何だろう? それを思うと、青木は背筋を冷いもので触られたような....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
索、なやみ、実践への方向は少なくとも人生の最高のものを、最も虔ましい態度において志向していた。 二十二、三歳から二十七、八歳までの血潮多き青年同志が、そのひた....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
。その意味で、後鳥羽院のお歌は、批評の外に立っておられる。これに対立させうる形の志向を、つまり国民とし臣家としての、朝権に対する志向をたからかにうたいえたものは....
建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
に過ぎないものといわばいわれるかもしれぬが、そういう儀礼の行われたところに皇室の志向もトクガワ氏の態度もあらわれていたので、官職は単なる名誉の表象ではなかった。....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
て変って来ている。国民の生活は絶えず変化し、知識の広狭も思想の浅深も、また意欲し志向するところも、常に変化して来た。ただそれらがいかに変化しても、その変化した状....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
, Leipzig) に拠り、内容はロランのベートーヴェン研究全体に現われている志向において選ぶことを努めた。 ○括弧〔 〕中、訳注とあるものは、理解に便なるを....