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忘れ形見
「忘れ形見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忘れ形見の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
言《ふしみだいなごん》実基《さねもと》卿、男女の習い旅宿の徒然《つれづれ》一夜の
忘れ形見なりと見えるが、『類聚名物考《るいじゅめいぶつこう》』四十に『異本曾我物....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
らかわいがられて、今のような医業を授けていただいたたいせつな先生の、お師匠さまの
忘れ形見なのでござります。年をとってからこの千萩をもうけて、まだ成人もせぬうちに....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れないで、わざわざこんな処へ落ちて来たかを論じたくない。わたしは唯、平親王将門の
忘れ形見という系図を持った若い美しい一人の尼僧が、陸奥の秋風に法衣の袖を吹かせな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いるお須賀という若いおよめさんにもあった。伊之助は四人の子をのこしたが、それらの
忘れ形見がいずれも父親似である中にも、ことに二代目が色白で面長な俤をよく伝えてい....
「木魂」より 著者:夢野久作
リした立派な臨終であった。 彼はだからその母親が死ぬと間もなく、お通夜の晩に、
忘れ形見の太郎を引き寄せて、涙ながらに固い約束をしたものであった。 「……これか....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
、左の手には扇、右の手には楊枝《ようじ》を持ったる有りの儘の姿を写させ、打死せば
忘れ形見にも成るべし、と云い、奉行町野左近将監|繁仍《しげより》の妻で、もと鶴千....
「明日咲く花」より 著者:宮本百合子
し、男女平等をあたり前のことと考えた頃、日本では、木村曙「婦女の鑑」、若松賤子「
忘れ形見」などの作品が現れた。若い婦人としてよりよい社会を希望するこころもちとぐ....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
ら、すくなくとも彼女の力に出来るだけのことは為たと信じていたからで。彼女は旦那の
忘れ形見ともいうべきお新と共に、どうかしてもっと生甲斐のあることを探したいと心に....
「源氏物語」より 著者:紫式部
「たしか十九におなりになったのでございましょう。私は奥様のもう一人のほうの乳母の
忘れ形見でございましたので、三位《さんみ》様がかわいがってくださいまして、お嬢様....
「源氏物語」より 著者:紫式部
れを直ちに実行したいという心に源氏はなった。 「お気の毒なお話ですね。その方には
忘れ形見がなかったのですか」 なお明確に少女のだれであるかを知ろうとして源氏は....
「源氏物語」より 著者:紫式部
思いながらもうれしかった。 あの六条の御息所《みやすどころ》の生んだ前皇太子の
忘れ形見の女王が斎宮《さいぐう》に選定された。源氏の愛のたよりなさを感じている御....
「源氏物語」より 著者:紫式部
婿君を家の人でなくしてしまったことが、より以上尼君に悲痛なことであって、娘はなぜ
忘れ形見でも残していかなかったかとそれを歎いている心から、たまさかにこうして中将....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
橘画)とやや老けている時代と、そうして晩年に近いあの姿とである。なつかしい東京の
忘れ形見として、いつまでも私は大切にとっておきたいと思っている。 たった一枚、....