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応え
「応え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
応えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
は実際、たとえば星野か園かに恋を感じたことはないのかなあ」
このくらいいっても
応えないか。
と、今まで素直に素直にとしていたらしいおぬいさんの顔色がさっと変....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
出入りの媒妁人、ある意味における地者稼の冠たる大家、さては、と早やお妙の事が胸に
応えて、先ずともかくも二階へ通すと、年配は五十ばかり。推しものの痘痕は一目見て気....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
い、星が降りそうですから、」 「成程。その癖音のしますたびに、ひやひやと身うちへ
応えますで、道理こそ、一雨かかったと思いましたが。」 「お冷えなさるようなら、貴....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
なるどころじゃない、沢山だ、ここで沢山だよ。……第一背中へ掴まられて、一呼吸でも
応えられるかどうだか、実はそれさえ覚束ない。悪くすると、そのまま目を眩して打倒れ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ら酌をしろ、ええ。」 と、どか胡坐、で、着ものの裾が堆い。 その地響きが膚に
応えて、震える状に、脇の下を窄めるから、雪女は横坐りに、 「あい、」と手を支く。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
らない車坂あたりを段々に、どんな顔をしていよう。名を聞いただけでも空腹へキヤリと
応える、雁鍋の前あたりへ……もう来たろう。 お京の爪皮が雪を噛んで出た。まっす....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
婆々は片づけにかかる気で、前の銚子を傍へ除けようとして心付く、まだずッしりと手に
応えて重い。 「お燗を直しましょうでござりますか。」 顔を覗き込むがごとくに土....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「は……い。」 「暑いのに随分だな。」 思入って労う言葉。お雪は身に染み、胸に
応えて、 「あなた。」 「ああ、」 「お医者様は、」 問われて目を圧えた手が微....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ではございませんでしたか……。』 答『全くお言葉の通り……折角抱いてもさっぱり手
応えがないのでございます。私にはいかに考えても、こればかりは現世の生活の方がよほ....
「墓」より 著者:秋田滋
ていたのであります。 彼女は、わたくしの魂が放った「おう」と呼ぶ声に「おう」と
応える声のように、わたくしの前に現れたのでした。人間がその一生を通じて希望という....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のパートナーなのだ。そして、彼が色目をつかうたびに、彼女はやさしく微笑んでそれに
応えているのだ。ところが、ブロム・ボーンズときたら、恋と嫉妬ですっかりいためつけ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
るような樅の木までが、まるで泣いてでもいるように潤んで見えた。が、呼べど呼べど、
応える声はなかった。けれども車大工には気のせいか、その辺の闇のなかで呻くような声....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と言わないが、東京へ行懸けに、梁に釣して死ぬ様な目に逢わせて置いたから、ちっとは
応えたろう。それに本間の死んだことも聞かしてやったら、十に九つはこっちの物だ。ど....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
放れざるものの如く、むずむずと二つ三つ感じたり、即ちそと引きて合せたるに、正に手
応えありて懸りたるを知る。 『来たよ。』と叫びながら、両手にて手繰り始むれば、船....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ると非常に遠く離れていることがある。その時は二声も三声も呼ぶ。山彦が遥かの峰から
応えて、少し後れながら淋しい趣きをそえつつ同じ声をもって来る。時とするとはっきり....