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「応える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

応えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
イ、青竜王、どこにいるのだッ」 検事は暗黒の中に再び呼んだ。―― だが、誰も応えるものはなかった。一同は闇の中に高く動悸のうつ銘々の心臓を感じた。 (どうし....
地獄の使者」より 著者:海野十三
プロテアそっちのけの身軽だといわなければならない」 これには大寺警部も、すぐに応える言葉を知らなかった。窓のところの証拠固めは彼がしたのであったから、今彼は自....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
らっしゃるの」 ミミは座長のような顔をして、一座を見わたした。だが、誰も直ぐに応える者がなかった。みんなワグナーと同じ考えなんだろう。 ただ、暫くしてフラン....
火葬国風景」より 著者:海野十三
非常にしっかりしたことを云うので、八十助はもう何がなんだか判らなくなった。そして応える言葉も見当らなかった。 「いいかネ。君は細君を亡くしたネ。たしか君たちは熱....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
うひゅうと鉄骨の間をぬってくる烈風の響、ざざざーっと支柱を匐いのぼる激浪の音に、応える人の声はもみ消されて聞えない。 「そんな弱気を出してはいかんじゃないか。い....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
。 彼は大声をはりあげて、見えなくなった少女の名を呼んでみた。――しかしそれに応えるものとては並び建つ校舎からはねかえる反響のほかになんにもなかった。それはま....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
、」 と突張った手をぐたりと緩めて、 「生命に別条は無さそうだ、しかし、しかし応える。」 とがっくり俯向いたのが、ふらふらした。 「月は寒し、炎のようなその....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
らない車坂あたりを段々に、どんな顔をしていよう。名を聞いただけでも空腹へキヤリと応える、雁鍋の前あたりへ……もう来たろう。 お京の爪皮が雪を噛んで出た。まっす....
星女郎」より 著者:泉鏡花
かも自分にするのらしい。 「ええ。」 胸倉を取って小突かれるように、強く此方へ応えるばかりで、見るなか、行けか、去れだか、来いだか、その意味がさっぱり分らぬ。....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
。経験は反省を引起し、自分をよく見なおした。すなわち自分は、腕を振って一度叫べば応える者が雲の如く集る英雄ではないと知った。 さはいえわたしは自分の寂寞を駆除....
」より 著者:秋田滋
ていたのであります。 彼女は、わたくしの魂が放った「おう」と呼ぶ声に「おう」と応える声のように、わたくしの前に現れたのでした。人間がその一生を通じて希望という....
暗号数字」より 著者:海野十三
の名前を訊ねたところ、貴方は帆村氏かという。大辻助手が、私は主人の帆村ではないと応えると、相手は帆村氏を電話口へ出してくれといって、なかなか身柄を明かさない。そ....
親ごころ」より 著者:秋田滋
るような樅の木までが、まるで泣いてでもいるように潤んで見えた。が、呼べど呼べど、応える声はなかった。けれども車大工には気のせいか、その辺の闇のなかで呻くような声....
錦紗」より 著者:犬田卯
お信お母さんは、どうしたのかまだ姿を見せないでいるのだが……それにしても、呼べば応える眼と鼻の間に住んでいるその家の人に、そんな疑いがどうしてかけられよう。彼女....
山吹」より 著者:泉鏡花
――畜生―― 人形使 ううむ、(幽に呻く)ううむ、そうだ、そこだ。ちっと、へい、応えるぞ。ううむ、そうだ。まだだまだだ。 夫人 これでもかい。これでもかい、畜生....