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「応分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

応分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
屋上の狂人」より 著者:菊池寛
御礼はどのくらい要るもんやろ。 藤作 治らな要らんいうておりますでなあ。治ったら応分に出せいうとります。 義助 末次郎は、御祈祷やこし効くもんかいうとるけど、損....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
最前宗近家の門を出た第二の車はすでに孤堂先生の僑居《きょうきょ》に在《あ》って、応分の使命をつくしつつある。 孤堂先生は熱が出て寝た。秘蔵の義董《ぎとう》の幅....
函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
生しないと保証はできないのである。それで全国民は函館罹災民の焦眉の急を救うために応分の力を添えることを忘れないと同時に各自自身が同じ災禍にかからぬように覚悟をき....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
う主張する。 ある拡り――空間量――を有った色の塊りは、無論拡りそのものから一応分離されることが出来る。色の塊りは赤とも青ともなれるが、之とは一応独立に、それ....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
の重さだと思う。 (一九三五・一二) 22 共通感覚と常識 社会と自然とは、一応分離し独立しているように見えるのであるが、実は二つのものの間に重大な統一的な共....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
へえ、御免下さいまし、町内でもいよいよ貧窮組をこしらえますから、お宅様でもどうか応分の御助力を願いたいもので」 ドヤドヤ入って来たものがあります。 「それ、や....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
地のこなしに取りかかりましょう、これが私たちの最初の善事でありますから、皆さん、応分の力をこれに添えて働いて下さい。みな働くと申しても、皆さんの力が平均している....
母の上京」より 著者:坂口安吾
きた当座は懐に金があるのを睨んで厭な顔もしなかつた。水商売の女のことで、その頃は応分の御礼を惜しまなかつたからだが、坐してくらへばといふ諺のせゐではなしに、敗戦....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
号にしていただけと脅迫するんです。今までの恩返しに多くのことはするに及ばないが、応分の手切れ金をいただいてそれを置いて出て行けと云うんです。どなたかの二号にして....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
やった。石ダタミも石の壁も三重四重に張ってセメントをつめ、天井石も落ちないように応分の工夫をこらした。石細工だけで四年もかかって、五年目から山の製造にかかったが....
演劇への入口」より 著者:岸田国士
上、無断上演の暴挙が半ば公然と行われ、作者の許可を得たものでも、脚本使用に対する応分の謝礼がなされている例は、ほとんど絶無にちかい。この野蛮な風習だけをみても、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
な富豪の某家から是非にと望まれました。森の家はもともと資産などないのでしたので、応分の補助をする、後嗣も生まれて御家庭の心配もあるまいから、どうか来てもらいたい....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
は到底望むことは出来ませんよ。永遠に境遇の奴隷ですよ。しっかりおやりなさい。私も応分のお助けを致します」 蜻蛉の子は若いものだからなかなかハキハキしたことを言....
」より 著者:中谷宇吉郎
ても、やはり氷晶が得られることが分った。 理論は略するが、これで氷晶の成因は一応分った。このアメリカでの近年の研究と、私たちの実験とを併せると、雪の結晶の人工....
茶碗の曲線」より 著者:中谷宇吉郎
化しないものでないと、取扱えないのである。分析によって本質が変らないものならば一応分析をして、それをまた綜合《そうごう》することに意味がある。全体としては或る感....