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「応召〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

応召の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
ブルの有閑マダムの仲間へ入れてくれた。 しかし、夏子はもともと引っ込み思案で、応召した夫が戦死したのちも、六つになる男の子と昔かたぎの姑と、出戻りの小姑と一緒....
世相」より 著者:織田作之助
で、腕時計と百円がなくなっていることに気がついた。それきり顔を見せなくなったが、応召したのか一年ばかりたって中支から突然暑中見舞の葉書が来たことがある。…… ....
東京八景」より 著者:太宰治
子供のように見える。昨年、T君と見合いをして約婚したけれども、結納の直後にT君は応召になって東京の或る聯隊にはいった。私も、いちど軍服のT君と逢って三十分ほど話....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
う気分が、こういう場合ほど濃《こま》やかに湧《わ》き立つ時はあるまい、年功を経た応召兵達の胸を打割った正直な述懐を聞くことが出来た、この辺の本当の土着の農夫とし....
白藤」より 著者:豊島与志雄
ました。 ただ一つ、白藤の木に、彼女の心は深く繋がれてるようでした。兄の耕一が応召入隊の前に、植木屋から買ってきたもので、一米半ばかりの古い幹に、真白な花をふ....
紫の壜」より 著者:豊島与志雄
、もう年配の富裕な人が多いようだった。 そのうち、私の事情に変化が起った。私は応召前、ある医療機械店に勤めていたのだが、帰宅してみると、その店は罹災していて、....
光は影を」より 著者:岸田国士
よつと歩いてみたかつたのである。彼は、入営の前日、その下宿を訪れた。彼も間もなく応召したという通知があつた。それから、満洲で一度、近くどこかへ連れて行かれるらし....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
の落語を忘れてしまうくらい、毎日浪花節を唸らされて、いわば隊長の肴になるために、応召したようなものであった。 しかし、彼等は隊長の酒の肴になるためにのみ応召し....
」より 著者:犬田卯
は、これも十五のとき東京の工場へつとめることになって、後、電気会社に入り、いまは応召中である。 母のお常は家にいたりいなかったり、定まらぬ日常を送っていたが、....
夜光虫」より 著者:織田作之助
が宿なしだったからである。 小沢は両親も身寄りもない孤独な男だったが、それでも応召前は天下茶屋のアパートに住んでたのだから、今夜、大阪駅に著くと、背中の荷物は....
面会」より 著者:織田作之助
面会 織田作之助 ある朝、一通の軍事郵便が届けられた。差出人はSという私の旧友からで、その手紙を見て、はじめて私はSが応召していることを知ったのである。Sと私は五年間音信不通で、Sがどこにどうしてい....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
ーンストークねえ」といった。枕元に座っていたのは富田先生だった。もと教室で研究中応召されたのだったが、いつのまにか来てくださっていた。先生は困った顔をして「はあ....
あの顔」より 著者:大倉燁子
弘とか云いましたね」 「父の弟の息子です。秀才だったのですが、大学を出る一年前に応召して、戦争に行ってからすっかり人間が変ってしまいました。終戦と同時に帰還しま....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
弟の家族が同居するようになった。弟は新京の医科大学に勤めていたのだが、降伏直前に応召し、ソ連に送られた。新京に残された家族は妻と子供二人だった。ソ連軍の進駐、国....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
るを要するものと信ずる。各種会社、工場等は自ら高射砲を備えしめては如何。そうして応召の予定外の人にて取扱い者を定めて練習せしめ、時に競技会でも行なえばただちに上....