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「忝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
彼は、突然調子の外《はず》れた笑い声を洩《も》らした。 「おお、許してくれるか。忝《かたじけな》い。忝いぞよ。」 そう云って、彼は嬉しそうに、左右を顧みた。 ....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
にならないから、そんなことになるのです。おわかりでしょうね」 「ご意見はいちおう忝けないが、それはやはりむだである。世間の大衆には、わしの話はむずかしすぎて、こ....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
すこぶる快諾の意を表したのであった。 それを聞いた馮大監は、大いに面目を施して忝《かたじけな》いと、大よろこびで辺境の首都さして帰っていった。 そこで楊《ヤ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
てはこの庵室より外に出ることは愚か、お顔を出すことも罷りなりませぬぞ」 「ああ、忝けのうございます。匿まって下さるのだったら、なんで庵主さまのおいいつけに背きま....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
のときの工兵隊はがけ下を覗くためにこんなものを用いて居た。 ◯天皇陛下御｜宸念。忝くも金一千万円也を戦災者へ下賜せらる。 ◯賀陽宮、山階宮、東久邇宮の三宮家も御....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
「おお、わかってくれたか。太刀川」 「はい、わかりました。私をお選びくださって、忝うございます。皇国のために、一命を賭けてこの仕事をやりとげます」 「おお、よく....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が入りまして、まあ、とんだ御足を留めましてござります。」 「いや、どういたして、忝い。私は尊いお説教を聴問したような心持じゃ。 何、嘘ではありません。 見な....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
て、 「さて、その時の御深切、老人心魂に徹しまして、寝食ともに忘れませぬ。千万｜忝う存じまするぞ。」 「まあ。」 と娘は、またたきもしなかった目を、まつげ深く....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
ます。」 婆々は掌を挙げて白髪の額に頂き、 「何事のおわしますかは知らねども、忝さに涙こぼるる、自然に頭が下りまする。お帰りには二見ヶ浦、これは申上げるまでも....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も随分苦労をなさいました……。』そう言って、私の手を執って涙を流された時は、私は忝いやら、難有いやらで胸が一ぱいになり、われを忘れて姫の御膝に縋りついて了いまし....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
方の見らるるに、葛布にて張りたる襖しとやかに明きて清げなる小女茶を運び出でたり。忝けなしと斜に敷きたる座蒲団よりすべりてその茶碗を取らんとするとき、女はオオと驚....
「瘠我慢の説」より 著者:榎本武揚
らず。不計も拙老先年之｜行為に於て御議論数百言御指摘、実に慙愧に不堪ず、御深志｜忝存候。 行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張、我に与からず我に関せずと存候。各人....
「或る秋の紫式部」より 著者:岡本かの子
の舟。櫂を操る十六大士のお姿も、追々はっきり見えて来た。あな尊とや観世音｜菩薩、忝けなや勢至菩薩。筏の舳に立って、早や招いていらるるぞ。やっしっし、やっしっし、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
だ、愛ちゃんなんてふざけやあがって、よかよかの飴屋が尻と間違えてやあがる、へ、お忝。」といって、愛吉はフンと棄鉢の鼻息。 「あいや、敵討のお武家、ちとお話が反れ....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
それから、昭和十五年の七月十一日の葉書には、「拝啓唯今御著『閑話休題』拝受大いに忝く、今度の読書の材料豊富感謝奉り候、小説に御精根傾けあらるる事尊敬慶賀無上に御....