忠僕[語句情報] »
忠僕
「忠僕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忠僕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
木に近づいていった。彼の友人というよりも、彼の絶対的な崇拝者として、彼の従順なる
忠僕としてであった。 青木と雄吉との交情が、何事もなく一年ばかり続いた頃であっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ら、お家の断絶後における淫楽《いんらく》の自由を得んために、じゃまな嫡子はもとの
忠僕であったあの質屋、すなわち三河屋へくれてしまったのでした。そこへ新規八百石に....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
分や三日分を貰って、素人医者の前にひざまずいて拝謝する老人――彼は恐らくこの家の
忠僕であろう。――その姿を見るに堪えないような悼ましい心持になって、僕はおもわず....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
んで宮中の内垣にまで達したという。当時、長州兵を敵として迎え撃ったものは、陛下の
忠僕をもって任ずる会津武士であった。あの時の責めを一身に引き受けた長州侯ですら寛....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
千篇一律である。君父の不慮の死、お家重代の宝物の紛失、忠臣の難儀、孝子の旅立ち、
忠僕の艱苦、道中の雲助、大井川の川止め、江戸へ出ると三社前の水茶屋女、見覚えのあ....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
猶お余りにもどかしき感がある。今後の二十五ヵ年間、願くは更に一大飛躍あれ。文学の
忠僕たる小生は切に諸君の健闘を祈る。 (「太陽」増刊 明治四十五年六月十三日号)....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
もあり、私は随分いろいろな人達とここでお逢いしました。標本として私が彼所で実家の
忠僕及び良人に逢った話なりと致しましょうか。格別面白いこともございませぬが……。....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
くつ》にしたりしているうちに、三つになるミーチャの世話を引き受けたのは、この家の
忠僕グリゴリイであった。もしもそのころ、この男がめんどうを見てやらなかったなら、....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
僧のあたりまで、ふく。私は然し劣情をころし、そういう時には、決して、狎れず、ただ
忠僕の誠意のみをヒレキする。 然しそれは恋愛の技法上から体得したことではなくて....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
いけません。あなたが麗人同伴で私の前に現はれる。そのとき私は最上先生の弟子であり
忠僕であるごとく己れを低くして最上先生を立てゝあげる。かはつて私が彼女同伴最上先....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
とどく、当家で最古参の使用人であった。病死したお梨江の実母には赤誠をもって仕えた
忠僕であった。 「じいさん。ご苦労さまだね。こまったことになったなア。お前も心痛....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ent servant と記する礼法があるが、これを、 「貴下《きか》の柔順なる
忠僕《ちゅうぼく》」 と直訳すると、邦文《ほうぶん》の「頓首《とんしゅ》」、「....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ちは父が声涙ひとつにとけて語っていた顔つきを烙きつけられているのだ。箱根霊験記の
忠僕筆助、朝顔日記のみゆきの乳母朝香、塩原多助と青、忠臣蔵の平右衛門――こうした....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ます。――神よ、正しき者に幸あれ! 領主は、凍れる棒の如くに気死して壁により、
忠僕は天を睨み、やがて声を上げて泣き仆れます。噫! 幸福たらんとして不幸となり、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
。しかし普通の盗賊では面白くないというので、全然その事実を作りかえて、金助という
忠僕が桶屋の権次という悪党に教唆されて、権次のこしらえた凧に乗って首尾よく鯱の鱗....