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「忠勤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忠勤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
大井が、例の切符を土耳其帽《トルコぼう》に見せると、 「今、大いに『城』同人へ御忠勤を抽《ぬき》んでている所なんだ。」と、自慢がましい吹聴《ふいちょう》をした。....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
その会長である。自分もその会員である)の先祖たる菊池氏も亦、五百年間勤王|一途の忠勤をつくした家柄で、山陽をして「翠楠必ずしも黄花に勝らず」と云わしめたが、活躍....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
じていることを忘れてはならない。往昔、関ヶ原の戦いに東山道の先導となって徳川家に忠勤をぬきんでた山村氏の歴史を考えて見ても、それがわかる。平田|篤胤没後の門人が....
新ハムレット」より 著者:太宰治
く、ここまでは、やって来ました。いかにも未熟の者ですから、皆も、今日以後、変らず忠勤の程を見せ、わしを安心させて下さい。ああ、忘れていた。レヤチーズが、わしに何....
読書法」より 著者:戸坂潤
小説は大抵面白いように思うのである。野地氏「平野の記録」は小作地管理人の地主への忠勤振りを描き、野原氏の「嵐の村」はバクチ検挙にからむ村の有士の詐欺を取り扱って....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
をすすめて耳を傾ける中にひとり、青崎百右衛門とて、父親の百之丞が松前の家老として忠勤をはげんだお蔭で、親の歿後も、その禄高をそっくりいただき何の働きも無いくせに....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
われるだろう。尤も反社会性などというと、ブルジョア社会学のブルジョア社会に対する忠勤振りを連想するかも知れないが、客観的に見て果して反社会的であるかないかは問題....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
な聖像もなく、国史に縁のあるすばらしい伝説もなければ、歴史的勲功とか祖国に対する忠勤とかいうものもない。それにもかかわらず、この修道院が隆盛をきわめて、ロシア全....
電車停留場」より 著者:豊島与志雄
勤しようかと思った。然し、今迄精勤の評を取ってる名前を汚したくもなかったし、一意忠勤の精神に背きたくもなかったので、勇を鼓して出勤した。チブスときまったら、すぐ....
織田信長」より 著者:坂口安吾
後日の話であるが、信長が天下を握って、御所を修理したり、お金を献上したり、色々と忠勤をつくして朝廷の衰微を救ったという。このとき、信長が京都の町民に米を貸して、....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
たが、ニコヤカに笑みをふくむだけで、とりあわない。 「チェッ。いゝ若いものが、御忠勤づらしてやがら」 才蔵めヤキモチをやいて、ふてくされ、仕方なしに、ひとり明....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
乏しき新店は、容易に一家をなし得るものにあらず、かつ卑劣なる主人にありては、長年忠勤をはげみたる番頭の始末に窮して、些細の過失を口実となし追出す工夫をする。これ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
くせ、ストライキだけにはいやに反対していたんだが、あれはやっぱり朝倉先生に対する忠勤のつもりだったかね。」 「さあ、どうだか。それも一種の手だったかも知れんぜ。....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
して佐渡の黄金を溜めて置き、時機を見て、武田家再興の大陰謀を企てるのじゃで、随分忠勤を励まれよと言い含め、一方公儀に向っては、信州黒姫山の麓には、金脈有り気に見....
近衛内閣の常識性」より 著者:戸坂潤
ある。 それにしても、近衛内閣の近来にないこの首尾一貫した国防絶対至上主義への忠勤(之は同時に、日本の金融資本の独占強力化の結果であり又原因でもある)、その忠....