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忠実
「忠実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忠実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
読んではいらっしゃらなくって? (作者曰く、京伝三馬《きょうでんさんば》の伝統に
忠実ならんと欲するわたしはこの機会に広告を加えなければならぬ。『六の宮の姫君』は....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
いで、ただまめまめしく仕えていた。殊に娘の兼《かね》に対しては、飼犬よりもさらに
忠実だった。娘はこの時すでに婿を迎えて、誰も羨むような夫婦仲であった。
こうし....
「影」より 著者:芥川竜之介
ししょう》する所となるも……微衷不悪《びちゅうあしからず》御推察……敬白。貴下の
忠実なる友より。」
手紙は力なく陳の手から落ちた。
……陳は卓子《テーブル》....
「路上」より 著者:芥川竜之介
から始められた。俊助は専門の英文学の講義よりも、反《かえ》って哲学や美学の講義に
忠実な学生だったから、ざっと二時間ばかりの間、熱心に万年筆を動かして、手際《てぎ....
「早春」より 著者:芥川竜之介
いは象徴かも知れない。いつか情熱を失った彼の恋愛の象徴かも知れない。彼は三重子に
忠実だった。が、三重子は半年《はんとし》の間に少しも見知らぬ不良少女になった。彼....
「或る女」より 著者:有島武郎
うのないくやし涙がさらにわき返った。
四三
その夜おそくまで岡はほんとうに
忠実《まめ》やかに貞世の病床に付き添って世話をしてくれた。口少《くちずく》なにし....
「星座」より 著者:有島武郎
でありながら、他人の飲酒をいちがいに卑しむ心持は起らなかった。これは自分の心持に
忠実な態度だろうかとおぬいはよく考えてみるのだった。禁酒会員である以上は、自分の....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
頭を擡《もた》げて、深く、強く、痛切なるべき考察を回避し、早く既に、あたかも夫に
忠実なる妻、妻に
忠実なる夫を笑い、神経の過敏でないところの人を笑うと同じ態度を以....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
道を行く。彼を彼自身のように知っているものは何処にもいない。陽の照る時には、彼の
忠実な伴侶はその影であるだろう。空が曇り果てる時には、そして夜には、伴侶たるべき....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
渡来したものであることには疑いない。しかしいかなる創造伝説でも自然に対する見方の
忠実さという点においてこの北方民族のそれに匹敵するものは一つもないであろう。 ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、小高い丘に、土塀をめぐらした、ささやかな隠宅を建ててくださいました。私はそこで
忠実な家来や腰元を相手に余生を送り、そしてそこでさびしくこの世の気息を引き取った....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
救護に当り、一身にして、牧師と、医者と、埋葬夫とを兼ぬる有様であった。その勇気と
忠実と親切とは、当然教区民の絶大の敬慕を贏ち得たが、健康が許さないので、一八六八....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
れの作品の評価に謙遜なる事。大抵の作品は「ありゃ駄目だよ」と云う。 七、月評に
忠実なる事。 八、半可な通人ぶりや利いた風の贅沢をせざる事。 九、容貌風采共....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
弟になった。徒弟になるには、いくらかの謝礼を出すのが習慣になっていた。が、今まで
忠実に働いたからというので、これは免除してもらった。 リボーの店は今日でも残っ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のだった。だが、そのほえ声もあまりにぼんやりしてかすかなので、自分はこの、人間の
忠実な仲間からさえも遠くはなれているのだ、と感じるだけだった。ときたま、鶏がふい....