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「忠犬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

忠犬の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
もわかるはずだよ。いいや、そればかりでもねえ。まさしく、その犬はこの世にも珍しい忠犬だぜ。よくあるやつさ。忠義の犬物語お家騒動というやつよ。悪党がある。その悪党....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
いるかもしれないであろう。 * 省線電車渋谷駅の人気者であった「忠犬」の八公が死んだ。生前から駅前に建立されていたこの犬の銅像は手向の花環に埋も....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ウィック譚にガイ竜獅と戦うを見、獅に加勢し竜を殪《たお》し獅感じてガイに随うこと忠犬のごとしとある。仏経には竜は瞋恚《しんい》熾盛《しじょう》の者といえるごとく....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
いくぶんこれに刺激されてその活動を促進されることがないとも限らない。またたとえば忠犬美談で甲新聞が人気を呼ぶと、あとからあとからいろいろな忠犬物語がほうぼうから....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
たときには立派に成効したものと言ってもいいかと思われるのである。 十二忠犬と猛獣 これも動物の芝居を見せる映画であるが、シェパードの芝居は象や馬の芝....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ま禽獣を墓碑に添えたのも多い(同誌十一輯三巻三一〇頁参照)。かかる表示から生じた忠犬の話も少なくあるまい。わが邦にも南部家の鶴など実際その家に奇瑞あった禽獣を紋....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
多分十日以内ナルベシ。留守中ノ事ヨロシク頼ム。昨日、使ニ来リシ犬ハ、最モ愛スベキ忠犬ナレバ、ヨクイタハリ、カヘルトモ、留マルトモ、犬ノ意志ニ任セテサシツカヘナシ....
電気鳩」より 著者:海野十三
とはげしい犬のなきごえが、車をおってきます。 「あっ、あのこえはマルじゃないか」忠犬マルは、一生けんめいに、高一をさらってゆくトラックをおいかけてくるのでありま....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
観念は必要だが、主人達の使う道具の分際では政治などという観念は有害無益なことだ。忠犬が一々主人の命令の理由を質問しては困るのである。それで日本ラジオでは、さし当....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うにも見える。自然、この犬には、主人の墓側で食を断って死ぬという古《いにし》えの忠犬に超出した高尚のふうが見える。 とまれ、この一行、お松は香と花を携えて先に....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
坊さんのように、毛皮や紫の着物を着せてあげて、その肖像を描いてあげよう。それから忠犬パトラッシュの頸には金の頸環をつけてやり、自分のすぐそばへおいて、集まって来....
裏切り」より 著者:坂口安吾
る最中に口笛を吹くと夢の中にトオサンがでてくるのではないかなぞと考え、トオサンと忠犬を混同して考えるような失敬な空想にふけることが多かったのです。 この最中に....
丘の銅像」より 著者:新美南吉
うとう》が、銅像《どうぞう》に似《に》ていたことから思いついて、地主さんはぜひ、忠犬ナハトのために、銅像をたてたいと思いました。そこで、村の人たちに相談《そうだ....