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忠義顔
「忠義顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忠義顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「畜犬談」より 著者:太宰治
にあずからんがために、友を売り、妻を離別し、おのれの身ひとつ、家の軒下に横たえ、
忠義顔して、かつての友に吠え、兄弟、父母をも、けろりと忘却し、ただひたすらに飼主....
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
どこからか迷いこんで来たものであるが、二三日めしを食わせてやっているうちに、もう
忠義顔をしてよそのひとに吠えたててみせているのだ、そのうちどこかへ捨てに行くつも....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た子飼いの番頭が、ご本家へ弓を引くようなまねをするはずがねえ。ふたりの手代どもが
忠義顔に罪を着たがったのも、火もとはあの辺だ。ぱんぱんとひとにらみに藻屑《もくず....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
はかえって死を以て我皇室に前途を警告し奉った真忠臣となってしもうた。忠君忠義――
忠義顔する者は夥しいが、進退伺を出して恐懼恐懼と米つきばったの真似をする者はある....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
井は竹刀をさげて友達のもとへいくところであった。 「やあきみ、大変だぞ」と手塚は
忠義顔にいった。 「なにが大変だ」と阪井はおちついていった。 「先生も校長も非常....
「魔像」より 著者:林不忘
いう、おせっかいなのが、裏口で立ち聴《ぎ》きしていて、岡焼《おかや》き半分から、
忠義顔《ちゅうぎがお》に、牛込やきもち坂甲良屋敷の脇坂山城守の許へ注進した。やき....
「埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
賢人があっても目にはつかない。いざという時には、この四、五人だけが役に立ち、平生
忠義顔をしていた九十五人は影をかくしてしまう。家は滅亡のほかはないのである。 ....