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快事
「快事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
快事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
携《たずさ》えて行きました。十五六人令嬢やら令夫人が集ってなかなか盛会で、近来の
快事と思うくらいに万事が整っていました。晩餐《ばんさん》もすみ合奏もすんで四方《....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の御手形が、先の征夷大将軍家光公、お自ら認めて与えたお墨付たるに於ては、事自ら痛
快事たるを免れないのです。それゆえにこそ、退屈男もまたこの際この場合、二人と得難....
「読書法」より 著者:戸坂潤
る。これは今後大いに利用されるだろう部分である。 第三の宗教復興批判は、近頃の
快事に数えねばならぬ。現在の宗教論者の論理的ナンセンスと露骨な階級的意図が、見事....
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
、天下|挙《こぞ》って起ち上るのだ。臣下が主君に怨みを報ずる。じつに驚天動地の痛
快事じゃあないか。それには今貴様は、絶好の立場におるのに――。 郁之進 (地面に....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ようだ。何しろ百姓道を体得した恐るべき百姓を造り出そうというのだから前代未聞の痛
快事だと云わねばならぬ。「造士館」とか「健児の社」というのは昔聞いたことがあるが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
粧をはじめました。 主膳が入木道《にゅうぼくどう》を試みるのを、朝のおつとめの
快事とするように、お絹がお化粧にかかる時が、この女の三昧境《さんまいきょう》かも....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、天帝を嘲り、永生を罵り、ひたすら汚泥の中に食い、飲み、又溺れることを以て人生の
快事とした。その形態は正に人間であるが、その心情は、遥かに動物以下であった。それ....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
の時期に、適当の人が、この興味あってしかも容易からぬ事業を大成したのは、文壇の一
快事だと思う。それにつけても、むらむらと起るのは好奇心である。あのたおやかな古文....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
、
「おのおの方ッ、こけ猿の茶壺でござるぞ。われわれの手で取りもどしたは、真に痛
快事。これで、気を負《お》い剣を帯して、江戸表まで出てまいった甲斐があったと申す....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
める眼や鼻、一種の食べ方や歩き方や笑い方、いちいちそれと言えないくらいの肉体的不
快事……。それはなんでもないことだと考えられている。けれども大したことである。た....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
だれがもってるだろうか? 率直な正しい批評は、それをなす者がこうむることのある不
快事を、償い得るものであるかどうかを、最も優良な人々でさえ疑っている時代なのだ。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の精神が――そうだ、無頼漢どもまでが、自由であると感ずること、それは言い知れぬ愉
快事なんだ。無限の空間に魂が浮游《ふゆう》してるようなものだ。その魂はもう他の所....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
小生は小鳥類を餌養し、籠中に運動し、余念なく時節につれて囀啼するを見聞し、無上の
快事といたしおり候。当時も四、五羽相集め、暇さいあればこれを撫育いたしおり候に、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
十五夜に当たり、南球の春天に三五の明月を仰ぐは、生来未曾有の奇観にして、また一大
快事なり。その光景、おのずから吟情をして勃然たらしむ。 秋半米南春欲看。 (秋の....
「夕立」より 著者:永井荷風
間もなき子雀蝉とともに家の中《うち》に迷入ること珍らしからず。是れ無聊を慰むる一
快事たり。....