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快味
「快味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
快味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
》のごとき、またほとんど同じではないか。 ただ、彼においてはきわめて都会的な軽
快味とその縦横|無碍《むげ》の機智とにずばぬけている代わり、日本の子守唄のような....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
を受けて、失うところの大なるを悵恨するよりは、一方のかこみを打破った奮闘の勇気に
快味を覚ゆる時期である。化膿せる腫物を切開した後の痛快は、やや自分の今に近い。打....
「振動魔」より 著者:海野十三
歌的な素朴な音色があるのです」 柿丘秋郎は、捉えた鼠を嬲ってよろこぶ猫のような
快味を覚えながら、着々とその奇怪な実験の順序を追っていったことだった。 「まアい....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
煙草を吸っていた」 「そりゃ、うまいのだろうか」 「モルヒネ剤特有の蠱惑にみちた
快味があるというわけさ。ところが金という男は頭がよかったと見えて、それを自分だけ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
って暴れるときの壮観をちょっと想像したが、それも一瞬ひらめいて消えた火のような痛
快味にしか過ぎないことを想い、さしずめ、「まあそんなに思い詰めないでも、辛抱して....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
も経験して居た。或は又酔うて居るのを幸いに二人の息子に足を洗わせて、其所に一種の
快味を味おうという単純な考からであるかも知れぬと思った。併し恭三は父が如何に酔っ....
「我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
一日に四、五十円の損になりても、よき鑑定をなし、百四、五十円の中穴を一つ当てたる
快味あれば、償うべし。 一、百二、三十円の穴にても、手柄の上では二百円に当るもの....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
こういうやり方では、百位のNにはついに手をつけないで解くことができた。一刀両断の
快味に、ちょっと似ている。 引き算を一つやってみよう。やさしいものであるが……....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
にまじって、名産の「ななわらい」を一杯試みた。今湯上りの泡盛が、鶴見にそれ以来の
快味を覚えさせたのである。 長話はここで尽きた。黙って聞いていたはずの景彦はい....
「光は影を」より 著者:岸田国士
催さないというのが、いつわらぬ事実である。それどころか、むしろ、さばさばとした痛
快味さえ覚えるほどの瞬間もなくはなかつた。 さればこそ、彼は、露ほどの屈托もな....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
だが、憐れむべきその小鳥には、血が少ししかなかった。私は望んでいたほど長い間この
快味を享楽することが出来なかった。牛の血を絞るところを見たら、さぞかしすばらしい....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。――むりな帆の曳きかたで、力いっぱい風に逆らいながら、ボートを急転回する、あの
快味を、なぜ味わってはいけない? あの男をして、いくらでもスコットランドのゼエム....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
が、しかし、最後の落ち着きどころは空虚と見究めがついていたので、まだ自暴自棄の痛
快味があった。だが、今度は生きながら人情のあたたかみや、憎みや、征服慾が生れ出て....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
人宛舟にのせて警官が五、六人乗って、急流下りをやった。あの圧迫の中での急流下りの
快味も、未だに忘れることのできない思い出の一つである。 とにかく鉱山労働者の、....
「くちこ」より 著者:北大路魯山人
現して、やや弛緩する。そのころ、燗酒ひと口、ぐっと呑み干す。味覚、味覚……、その
快味は真に言うべからざるものがある。しかも、その酒杯が古染ネジなどであり、このわ....