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快感
「快感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
快感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ら離れていた葉子自身を引き寄せた。そして切るような痛みと、痛みからのみ来る奇怪な
快感とを自分自身に感じて陶然と酔いしれながら、倉地の二の腕に歯を立てて、思いきり....
「弓町より」より 著者:石川啄木
してちょうど痒《かゆ》い腫物《はれもの》を自分でメスを執《と》って切開するような
快感を伴うこともあった。また時として登りかけた坂から、腰に縄《なわ》をつけられて....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
に、その急ピッチの音楽浴が二人の脳髄を次第々々に蒸していった。嘔吐を催すような不
快感がだんだんと高まってきた。ついに二人は、転げこむようにアリシア区の入口を入っ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
った事を喜びました。医科の助教授連が学用モルモットを殺すときの気もちに似た残虐的
快感に燃え立ったのでした。細田氏が十分間|経っても姿を現わさないのは恐らく氏が自....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に、金庫を目懸けて突進した。五十銭銀貨を一枚でも、掌の中につかんだものは、強奪の
快感の捕虜となって、ますます興奮を、つのらせて行った。五円紙幣を手に入れたものは....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
の男を入れることを忘れなかった。若い男を、ジリジリと苦しめてゆくのが、たまらなく
快感を唆ったのだった。若い男は、クレーンが独りで動き出す大恐怖の前に、永い間、ひ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
佐々の乗っていたロケットは俄かにビリビリッと震動を始めた。そして彼を責めていた不
快感が、急にピタリと停まった。――正面の硝子にうつっていた博士の顔が、雨のように....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
そうに、鳴動する。 そのとき、爆弾の音を聞きながら、彼は、なにかこう、男性的な
快感を覚えた。 「そうだ。屋上へ上って、一つ、戸外の様子を見てやれ」 こういう....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
を見せ、肩を慄わせて泣いているように思った。それはなんとはなく、彼の心に或る種の
快感を与えるのであった。 ミチミは、泣き足りてか、やがて静かに身体を起した。両....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
の心から発しる一種の靭やかな身振が、読者の胸を撫でさするために、名状すべからざる
快感が生じるのである。 源氏物語の文章は、当時の宮廷語、殊に貴婦人語にすこぶる....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
れている。空気銃とて、照準を合わせる練習は立派にやれるし、プスリと射抜いた刹那の
快感も相当なものである。ところでその射的であるが最も面白く、且つ有益なるは、庭の....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
年の暗闇祭に紛れて、男の鼻をそぎ、女の臀を切ったのであった。 そのために非常な
快感を覚えたのであった。今年もまたそれを企てたのであった。これでは矢張|狂人なの....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
種の材料をかりて美を客観的にあらわすに当って芸術が成立するのであるが、芸術は単に
快感の客観化されたものではない。
快感を超越した要素がなくてはならぬ。もとより崇高....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
番子に抱いて寝ました。赤児の柔かい肌が触れると、二人とも何んとも言い表わしがたい
快感を感じました。夜になってから、赤児が二度ほど泣きましたが、二人はその度に、甲....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
ているものを、こっそりと掏りとる、それが愉快なのだ、その瞬間、実に何とも云えない
快感を覚える、それを味いたいばっかりに、罪を重ねているのだが、盗んでしまえばそれ....