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快晴
「快晴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
快晴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空中墳墓」より 著者:海野十三
の日の朝であった。例によって私は午前十時に目を醒ました。窓を開いて見ると珍らしく
快晴だった。ベルを鳴らすと、執事の矢口と、根賀地が入って来た。 「先生、あの若僧....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
い地響きもちょいちょいした。消防サイレンも聞こえる。 私は目が悪い上に、今日は
快晴で小さい戦闘機を見分けにくいため、一機も敵機の姿をしかと認めなかった。ただ音....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と、私たちはすこぶる嬉しがって、日の暮れるのを持ち構えていた。 きょうは朝から
快晴で、満洲の空は高く澄んでいる。まことに申し分のない中秋である。午後六時を過ぎ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
られた、宿の出入りも番傘で、ただ垂籠めがちだった本意なさに、日限の帰路を、折から
快晴した浦づたい。――「当修善寺から、口野浜、多比の浦、江の浦、獅子浜、馬込崎と....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
が十七人、……お雪はその中の一人であった。 水は一晩で大方|退いて、翌日は天日
快晴。四十物町はちょろちょろ流れで、兵粮を積んだ船が往来する。勇美子は裾を引上げ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
す、笛は吹く、続いて踊らずにはいられない。 何年めかに一度という書入れ日がまた
快晴した。 昼は屋台が廻って、この玄関前へも練込んで来て、芸妓連は地に並ぶ、雛....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
過程を飛ばして見せられたことにもなる。ことにあの写真はロケーションが多く、それも
快晴ばかりで、実に写真全体がアリゾナあたりの太陽に飽和していた感じがある。いま考....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
碌ろく寝もやらず弁財天を念じ明かした奇特か、雨は暁け方からやんで、二十五日の朝は
快晴となった。その朝日のひかりを海の上に拝んで、お杉は思わず手をあわせた。きょう....
「取舵」より 著者:泉鏡花
に能登半島の庇護によりて、辛くも内海を形成れども、泊以東は全く洋々たる外海にて、
快晴の日は、佐渡島の糢糊たるを見るのみなれば、四面※茫として、荒波山の崩るるごと....
「荘子」より 著者:岡本かの子
佝僂乍ら一種の品格が備わるのであった。荘子は扉を無器用に開けて土間へ入って来た。
快晴の日の外気を吸って皮膚は生々した艶を浮べて健康そうに上気した顔は荘子の洛邑に....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
を織り込んで居る。景子のロンドンに於ける仮寓は此の丘の中に在った。 中秋の或る
快晴の日の午後、景子は友人の某大学英文科の助教授宮坂を案内して彼がしきりに逢いた....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
後、とぼとぼと高畑まで辿り着く。その夜、旅のお侍と俳談をする処があります。翌日は
快晴。しかし昨日、道に迷った難儀に懲りて、宿から、すぐ馬を雇って出ると、曳出した....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
もその音や聞ゆる、と背後を憂慮うもののごとく、不安の色を湛えつつ、 「引続きこの
快晴、朝の霜が颯と消えても、滴って地を汚さずという時節。夜が明けるとこの芝浜|界....
「西航日録」より 著者:井上円了
シナ大陸に沿って南進し、二十六日台湾海峡に入る。終日曇晴、風波やや高し。二十七日
快晴、暑気にわかに加わる。一昨日まで毎室暖炉を待ちしも、今日より食後、アイスクリ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
長たり。上等客約二十人、みな白人なり。波静かなるも風寒し。 四月二日(日曜)、
快晴。ただし風寒きこと前日のごとし。午後一時、神戸に入港す。大阪毎日新聞記者藤枝....