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「快男子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

快男子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
の種を播《ま》く糞虫《くそむし》となるのだ。太陽は有難い! 剛健強勇を生命とする快男子は、須《すべか》らく太陽に向かって突貫し、その力ある光勢を渾身《こんしん》....
余興」より 著者:森鴎外
帷子に兵児帯で、ぬっとはいって来るのを見る。これが陸軍少将畑閣下である。 畑は快男子である。戦略戦術の書を除く外、一切の書を読まない。浄瑠璃を聞いても、何をう....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
理由をこう睨みたい気持が、誰の胸にも疼いていたのであるが……。国際紛争裡におどる快男子折竹の姿は、まだ彼も言わず、作者も秘、秘である。ではこの、大地軸孔とはいか....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
社会にあっては珍らしい貞節のかぎりを尽し、川上を世に稀《ま》れな男らしい男、真に快男子であると、全盛がもたらす彼女の誇りを捨て、わが生命《いのち》として尽してい....
坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
の金を懐にして、ぷいと満州に行ってしまった。信用のおけるようなまたおけないような快男子だ。――だが彼のことについては話が別になる。 坂田は、銀行から担保の公債....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
この絶対主権者の社長の前では、すべてのものが震えおののいていた。五十年配の強健な快男子で、背が低くむっくりしていて、丸い大きな頭、角刈りにした灰色の頭髪、赤い顔....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
らなかった。しかしただまっすぐに進んでいった。まったくフランス人式だった。丈夫な快男子で、四十歳ばかりになっていて、色|艶《つや》のいい大きな顔、丸い頭、樺《か....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
そなえ、深い下心のあるしおれ方をしているが、磨《みが》きをかけた怜悧《れいり》な快男子で、甘える目つきと残忍な微笑とを持ってる盗賊だった。その目つきは意志からき....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
を加えて見ようかと思う。 先ず第一に云って置き度い事は、私の物語に現れて来る、快男子赤格子九郎右衛門なる者は、従来の芝居や稗史小説で、嘘八百を語り伝えられて来....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
弟子に金子市之丞という若者があった。下総国|葛飾郡流山在の郷士の伜で、父藤九郎は快男子、赤格子九郎右衛門と義兄弟を結び、密貿易を企てたが、その後ゆえあって足を洗....
平泉紀行」より 著者:村山俊太郎
下露あびて墓標は立ちけり 私は立往生をしたという衣川と、この天地とを比べて、快男子としての辨慶、忠臣としての辨慶を想った。 ここから道は爪先上がりになって....
運命のSOS」より 著者:牧逸馬
たように、このエヴァンス技師――彼は職業柄 Sparks という綽名で通っていた快男子風の一種変った人物だった――が、もう十分間起きて無電機に向っていたら、いの....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
めたい。……いやないやな死神の手が、わが清君をつかむのではないだろうか? 南洋の快男子 清君は夜の海のどこかへ消えてしまった。 ここで僕は、しばらく少年の行....
三国志」より 著者:吉川英治
わくはこの鈍材を、旗下において、なんらかの用途に役立ててください」 「君は、真に快男子だ。妙に体面ぶらず、その潔いところも気に入った」 手を取って、彼は、太史....
それから」より 著者:夏目漱石
ロー》なぞに担《かつ》がれたい了見は更にない。が、もしここに野心があり覇気のある快男子があるとすれば、一時的の剣の力よりも、永久的の筆の力で、英雄《ヒーロー》に....