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「快癒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

快癒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
は水泡に帰すのも同然であった。彼はついに枕《まくら》を噛《か》みながら、彼自身の快癒を祈ると共に、併せて敵《かたき》瀬沼兵衛《せぬまひょうえ》の快癒も祈らざるを....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
。ある日上様清八を召され、富士司の病《やまい》はと被仰《おおせられ》し時、すでに快癒の後《のち》なりしかば、すきと全治《ぜんじ》、ただいまでは人をも把《と》り兼....
忠義」より 著者:芥川竜之介
丸の佐渡守を訪れた。見た所、顔色《かおいろ》もすぐれないようだから、あるいはまだ快癒がはかばかしくないのかと思ったが、話して見ると、格別、病人らしい容子《ようす....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の比較的幼稚だった南亜戦争当時でさえも、後送距離の短い場合は、そのほとんど全部が快癒しているのですからね。そうそう、その南亜戦争でしたが……」と法水は莨の端をグ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
い、頼み尠く見えましたので、早速一粒を投じましたところ……」 「ふうむ、やっぱり快癒したか」 「さながら薄紙を剥ぐがよう」 「名薬! 名薬! ……欲しいものだ!....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
参謀が、もし一命を助かれば、何もかも分るだろう」 只一人の生残者リウサン参謀の快癒を待つまでもなく、怪電気は、太青洋の空を越えて、一瞬間に、ラヂウム元帥と、十....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
―前略、当寺檀那、孫八どのより申上げ候。入院中流産なされ候御婦人は、いまは大方に快癒、鬱散のそとあるきも出来候との事、御安心下され度候趣、さて、ここに一昨夕、大....
星女郎」より 著者:泉鏡花
一所に斬られた、と思ったが、守護袋で留まったと言う。 貴婦人の病気は、それで、快癒。 が、入交って、お綾は今の身になった。 と言うのは、夢中ながら、男を斬....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
来る温かみを、味わい合っていると云いたげであった。 お島の憂欝を祈祷によって、快癒させようと心掛けて、大日坊という修験者を、この寮へ出入りさせて、祈祷させるよ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
たのだろう?) 彼には、肝心のことが解らなかった。 (わしの頭脳は、まだ本当に快癒りきっていないのかもしれない) 大病をして、大熱を発し、人事不省に落ち入っ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
2 「まあ可い、ゆっくり養生するさ」 主水はそう云って気の毒そうに見た。 「快癒してから立ち合おう」 「それよりどうだな」と陣十郎は云った。 「こういう俺を....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
鏡と風雨計、ゴム類、つり道具、それだけで船はいっぱいであった。ドノバンはまったく快癒した。 二月九日にいっさいの準備をおわり、二月十一日、大日本帝国の紀元節の....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に活動して、当代の日朗役者であると賞讃された。 「日蓮記」のあいだで、特にかれが快癒出勤の披露をすることになって、師匠の団十郎が羽織袴で登場して彼のために長い口....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
なず、医師の説に依れば幾分か持直した気味だと云う。巡査は拠ろなく手を束ねて、其の快癒に向うのを待つ中に、四五日は徒爾に過ぎた。 虎ヶ窟を中心として起れる此の奇....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
希望よ。――さらばおんみに別れを告げる――まことに悲しい心をもって。――幾らかは快癒するであろうとの希望よ。この場所にまで私が携えて来た希望よ。今やそれはまった....