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快調
「快調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
快調の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鴎」より 著者:太宰治
つでもありますか。」 「あります。悔恨《かいこん》です。」こんどは、打てば響くの
快調を以て、即座に応答することができた。「悔恨の無い文学は、屁《へ》のかっぱです....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
ま指の間にはさみ、自分の答弁に耳を傾ける。自分が予想していた以上に、自分の答弁が
快調に録音せられている。まず、これでよし。大過無し。官庁に於ける評判もいいだろう....
「李陵」より 著者:中島敦
み出すべく醗酵《はっこう》しかけてきていた。彼の仕事は実に気持よく進んだ。むしろ
快調に行きすぎて困るくらいであった。というのは、初めの五帝本紀《ごていほんぎ》か....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
明るさは依然同じくらい。 七月××日 「デイヴィッド・バルフォア」漸《ようや》く
快調。 キューラソー号入港、艦長ギブソン氏と会食。 巷間《こうかん》の噂によ....
「氷河期の怪人」より 著者:海野十三
あ。なにか夢を見ていたね」 夢? 気がつくと、飛行機は、エンジンの音もすこぶる
快調に、おだやかに飛んでいるではないか。 「先生、これは何号ですか」 「何号? ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
もう銅像みたいなものだった。 「はい、二十五ノット、よろしい。エンジンはいずれも
快調です。異常変動、全くみとめられず!」 川上機関大尉の声は、いよいよ冴えた。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
むと、そこにはいつも変らぬあなたのテンポがあり、それは弾力にとみつつアンダンテで
快調です。十日以後、あなたの話しぶりがいくらかお忙しそうね、プレストです。そんな....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
に五千の尾張兵をひねり殺して信秀の落ち目の元をつくったのは道三だ。その道三は益々
快調、負け知らず、美濃衆とよばれて天下の精強をうたわれている彼の部下は充実しつつ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
面を、煙筒から黒い煙を吐いている小蒸汽船がことことと機関の音をさせて転覆もせずに
快調にすべってゆく。エドガア・アラン・ポオにあの名高いメエルスツルムの渦潮の恐ろ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
ity は同じ意味に使われると思いますが、自然に、後から後へ続いて出て来る一種の
快調を指すのですが、それは決して、無理に押し出すのでもなく、しぼり出すのでもなく....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
して、すうっと雪景色の中へ行ってしまった。 儀作は歯ざれのいいその弁舌――その
快調にすっかり酔わされたように、しばし茫然として自動車を見送っていたが、やがて独....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
姉娘と知り合う。招待、訪問。ヴォルチャーニノフ家の教養ある空気。 第二楽章。軽
快調から漸次急調子に。――画家が自分の遊民的生活に感じる不満。しかも社会事業家型....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
うなテンテコ舞いをさせられるが、小生から見るとすべてが鈍速で見ていられない。第一
快調を欠いている。その理由をとくと考えてみると、他でもない、小生のようにできるか....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
、それで大満足というわけだから、寿司屋の甲乙丙はまず分るまい。寿司談義は小遣銭が
快調にまわるようになり、年も四十の坂を越え、ようやく口が贅って来てからのことにな....