快闊[語句情報] » 快闊

「快闊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

快闊の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少女地獄」より 著者:夢野久作
、その洋傘を拡げて、人目を忍ぶようにして私に寄り添った。そうして平常《いつも》の快闊さをアトカタもなくした陰気な、しかしハキハキした口調で問いかけた。 「先生。....
河明り」より 著者:岡本かの子
して、ぴしぴし働いている。それがどういう目的のために何の情熱からということもなく快闊そのものが働くことを藉りて、時間と空間を鋏み刻んで行くとしか思えない。内にも....
弟子」より 著者:中島敦
。気取の無い率直さが荒っぽい土地の人気に投じたらしい。壮士連はことごとく子路の明快闊達に推服した。それにこの頃になると、既に子路の名は孔門|随一《ずいいち》の快....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
仰いで、未だ正体を見極めない者に対する慎重さを持っている学生に向って、若し彼が、快闊な、ざっくばらんな口調で、 「私には、未だ君達の言葉が、よく呑込めないのだか....
一足お先に」より 著者:夢野久作
りましたが。痛むんですか」 今しがた私を揺り起した青木という患者は、こう云って快闊に笑いながら半身を起した。私も同時に寝台の上に起き直ったが、その時に私はビッ....
鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
がおかれている偽りの世界への憤懣から遂に狂猛な暴君のようになり、隠居とともに天空快闊となった次第を語っている。作者は忠直卿とともに、人間関係の真率、偽りなさ、ま....
九州の東海岸」より 著者:宮本百合子
思う。 また大淀まで、今度は軽便鉄道で戻るのだが、道々、私共は本当に見渡す限り快闊な日向の風好を愛した。高千穂峯で最初の火を燃したわれ等の祖先が、どんなに晴れ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
これを与えるものの起るのも自然であります。よき慰安を与えらるる時に、人間の気象が快闊になり、高尚になるのも道理であります。そこにわれわれ神楽師の、神に対し、人間....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
まり卑屈にへいへいしていると、却って増長させていけない。正しいことは相当主張し、快闊に、はたからその不機嫌を吹き散らしてしまうがいい。不機嫌は当人も持てあまして....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
を御承知であろう――と、テオドルは話した。 そこで出逢った大勢の旧友や、自由な快闊な生活や、いろいろな芸術的ならびに学問上の興味――こうしたすべてのことが一緒....
真の愛国心」より 著者:新渡戸稲造
ろもち》する。例えば某国人《ぼうこくじん》は頗《すこぶ》る勤勉である。ある国人は快闊《かいかつ》である、ある国人は機敏である、ある国人は耐忍が強いというが如く、....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
かりました本庄恒夫でございます」 と云って、顔をぱッと赤くした。 宮岡警部は快闊な、歯切れのいい言葉で、 「やあ、ご苦労様! 今まで待ってたんですが、――急....