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念
「念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
念の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ころがある日のこと、髪長彦はいつもの通り、とある大木の根がたに腰を卸しながら、余
念もなく笛を吹いていますと、たちまち自分の目の前へ、青い勾玉《まがたま》を沢山ぶ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いて見ると、――これには僕も驚いたね。あの女が笑顔《えがお》を見せていたのは、残
念ながら僕にじゃない。賄征伐《まかないせいばつ》の大将、リヴィングストンの崇拝家....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
たのか、彼もまた後見《うしろみ》のために旅立ちたい旨を申し出でた。と同時に求馬と
念友《ねんゆう》の約があった、津崎左近《つざきさこん》と云う侍も、同じく助太刀《....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かつ》は、その障子を後《うしろ》にして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余
念がない。書物は恐らく、細川家の家臣の一人が借してくれた三国誌の中の一冊であろう....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
いました。 「折角御嬢さんの在りかをつきとめながら、とり戻すことが出来ないのは残
念だな。一そ警察へ訴えようか? いや、いや、支那の警察が手ぬるいことは、香港でも....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
いるつもりである。その又僕の読んだ作品は何れも手を抜いたところはない。どれも皆丹
念に出来上っている。若し欠点を挙げるとすれば余り丹
念すぎる為に暗示する力を欠き易....
「狂女」より 著者:秋田滋
は、あの女を蒲団に寝かせたまま、寒い、寂しい森のなかに捨てたのだ。おのれの固定観
念に固執して、彼女は、厚くて軽い雪の蒲団に覆われて、手も動かさず、足も動かさず、....
「墓」より 著者:秋田滋
、かつてベルトランという一軍曹によって犯された身の毛のよだつような行為を傍聴人の
念頭にまざまざと想い起させて、頻りにその感情を刺戟した。忿怒の身顫いが傍聴人たち....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
い惨めさ、努力などの何の役にも立たぬこと、期待の空なこと、――そんなことはもう諦
念めてしまっていた。ところが今夜、晩の食事を了ってからのことである。私にはすべて....
「初雪」より 著者:秋田滋
封を切って、それを読みだした。 日ましに快いほうへ向ってくれればと、そればかりを
念じている次第だ。お前も早くここへ帰って来たく思っていることだろうが、余り当地を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
を此方へ御預かり申さんとは存ぜしが、金銭の事ゆえ思召す所を憚かりて黙止たりしが残
念の事を仕りたり」と言うに、いよいよ面目なくますます心は愚にかえりて我身も頼もし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデーに年金、こんな人には無論年金を贈らねばならぬ、早くこれが手に入らないで残
念な事をしたと言った。 ところが、サー・ジェームス・サウスは再びこの伝記をカロ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
イカバッドがこの楽天地を一目見た瞬間から、彼の心の平和は消えてしまい、彼の唯一の
念願は、どうしたらヴァン・タッセルのたぐいない娘の愛情をかちえることができるかと....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
るために、体がいよいよ弱くなって、彼はめッきり年をとった。そして、彼が心ひそかに
念じている一縷の望みも日一日と崩れて行くのだった。いまはもう、教会へお勤めに来る....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
そ予約されていたのである。 噫々今にして花火線香の玉を消したことは返す返すも残
念でならない。も五年でも、十年でもいい、もっともっと火華を散し、火華を咲かせたか....