念入り[語句情報] » 念入り

「念入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

念入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
うず》めていた。しかし篤介との関係になると、ほとんど何ごとも書いてなかった。ただ念入りに繰り返してあるのは彼等は互に愛し合っていると云う、簡単な事実ばかりだった....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
までも、二階の寝室を離れなかった。が、四時頃やっと床《とこ》を出ると、いつもより念入りに化粧をした。それから芝居でも見に行くように、上着も下着もことごとく一番|....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
君も次が又出来たそうね、然も男子じゃ目出たいじゃないか」 「や有難う。あの時は又念入りの御手紙ありがとう」 「人間の変化は早いものなア。人の生涯も或階段へ踏みか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
ぎても遊ばさるる。 直ぐに御歩行かと思うと、まだそれから両手へ手袋を嵌めたが、念入りに片手ずつ手首へぐっと扱いた時、襦袢の裏の紅いのがチラリと翻る。 年紀の....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
まって、畳二畳半ばかり隔てて父の前に座した。紫檀の盆に九谷の茶器|根来の菓子器、念入りの客なことは聞かなくとも解る。母も座におって茶を入れ直している。おとよは少....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
心させなきゃア――」 「この子がまた、先生、一番意気地なしで困るんですよ」お袋は念入りに肩を動かして、さも性根なしとののしるかの様子で女の方を見た。「何でも私に....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
滅亡を意味するであろう」 十一月十四日 ◯朝来より血痰ありしが、夜に入りて少々念入りに赤き血を吐く。 十一月十八日 ◯徹郎君より長文の手紙来る。目下の心境を....
暗号の役割」より 著者:海野十三
利権を横領したものだかどうかを確める意欲に燃えあがっていた。 だが、猫々探偵の念入りな捜査にもかかわらず、今なお鬼二郎の所在を掴むことの出来ないことにおいては....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
ができなくて死んでしまわなければならない。だから艇が気密になっているかどうかを、念入りにしらべる必要があった。 いよいよ地球から遠くはなれて月に近くなった結果....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
ら、お泊め申そう。」 と言う。 按摩どの、けろりとして、 「ええ、その気で、念入りに一ツ、掴りましょうで。」と我が手を握って、拉ぐように、ぐいと揉んだ。 「....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
通り足場が悪いと、山門|内まで運ぶについて、今日さ、この運び手間だよ。肩がわりの念入りで、丸太棒で担ぎ出しますに。――丸太棒めら、丸太棒を押立てて、ごろうじませ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
な事を、あわれがって、慈善家がって、異う済まして、ツンと気取った。」 「おおおお念入りだ。」 「そいつが癪に障ったから。――折から、焼芋(訂正)真珠を、食過ぎた....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
廻されては大変と、小宮山は逸早く、 「ええ、もう存じておりますとも。」 と一際念入りに答えたのでありまする。言葉尻も終らぬ中、縄も釘もはらはらと振りかかった、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るのでございます。 それからモー一つ申上げて置きたいのは、あの願掛け……つまり念入りの祈願でございまして、これは大てい人の寝鎮まった真夜中のものと限って居りま....
あのころ」より 著者:上村松園
かろう」 母がそう言ってやって下さったものなのです。小学校でも絵の時間は特別に念入りに勉強した私ですから、画学校へゆけば天下はれて画がかけるというので、私はど....