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怏
「怏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
逝したという報告がもたらされると、彼はがく然として驚き、良心の苛責を感じて、終日
怏々として楽しまなかったほどである。彼は少しでも心をまぎらして不快な印象を免れた....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
なかった。兄忠次郎に旧知半石を与えて、馬回りに取り立ててくれた。 が、忠次郎は
怏々として楽しまなかった。その上、兄弟についての世評が、折々二人の耳に入った。そ....
「乱世」より 著者:菊池寛
護の鳥取藩士は、彼らにかなり寛大だった。が、生死の間に彷徨している彼らは、みんな
怏々として楽しまなかった。 人間は、何かの感情に激すると、臆病者でもかなり潔く....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
とを非道に殺された私と父とは、不快なあさましい記憶から絶えず心を苛なまれながら、
怏々としてその日を暮して居りました。『千葉町の夫婦殺し』と云う題目も段々世間から....
「縮図」より 著者:徳田秋声
どうかと思って、一緒に帰ってしまったの。何とか言って来るかなと思って、私も何だか
怏々していると、とても長い手紙が来たの。何だかむずかしいことが書いてあったけれど....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いよいよ財産は殖えるばかりで、この家安泰無事長久の有様ではあったが、若大将ひとり
怏々として楽しまず、女房の毎夜の寝物語は味噌漬がどうしたの塩鮭の骨がどうしたのと....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
石棺引き上げの第一日目はこうして失敗に終わったのである。 爾来若殿頼正の心は
怏々として楽しまなかった。第二回目を試みようとしても応ずる者がないからである。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
を大理石の上に再現させることが出来ないので、自分の刻んだ作品に絶望を感じながら、
怏々として楽しまざる日を送っていた。 ラザルスの噂がこの彫刻家の耳にはいった時....
「嬰寧」より 著者:田中貢太郎
たが悲しくて泣きたいような気になって立っていた。そして魂のぬけた人のようになって
怏怏として帰ったが、家へ帰ると花を枕の底にしまって、うつぶしになって寝たきりもの....
「作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
し彼の俊厳な徳は遂に彼を人間嫌いに変じた。彼はこの城の先祖の不正直なことを知って
怏々として楽しまなかった、それから幾分彼は一般に人間というものは不正直なものであ....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
川は死んだ。 この報知を耳にした時、豊後守の驚愕は他の見る眼も気の毒なほどで、
怏々として楽しまず自然|勤務も怠りがちとなった。 これに反して北斎は一時に精神....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
下名題の名人上手は来てくれない。自慢の種になるような手錬の者がいないから、殿様は
怏々としてたのしまない。 源左は不思議な術者を発見したから、これを殿に差し上げ....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
から去ったのを、誰にもまして失望したのは、親友の曽呂利新左衛門であった。 彼は
怏々として楽しまなかった。 「面白くないな、全く面白くない。殿下も腹が小さ過ぎる....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
・ボーンズときたら、恋と嫉妬ですっかりいためつけられて、ひとりで片隅に坐りこみ、
怏々としていたのである。 ダンスが終ったとき、イカバッドがひきつけられて加わっ....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
ですから強いですよ」 「ほんとに私はつまらない立ちばになってしまったのです。私は
怏々として楽しまぬ日を送るようになりました。それに同情してくれたのが従弟の弘さん....