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怒髪
「怒髪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怒髪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
藩士小屋を抱え込んだお長屋門が、ぴたりと閉じられてありましたので、乗りつけるや、
怒髪《どはつ》して退屈男が呼び叫びました。 「早乙女主水之介、直参旗本の格式以て....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
自分が乗って見たおぼえは毛頭ない、去るを乗って見たまえとはあまり無慈悲なる一言と
怒髪鳥打帽を衝《つい》て猛然とハンドルを握ったまではあっぱれ武者《むしゃ》ぶりた....
「教育と文芸」より 著者:夏目漱石
とか》不成《ならざらん》というような事を、事実と思っている。意気天を衝《つ》く。
怒髪《どはつ》天をつく。炳《へい》として日月《じつげつ》云々《うんぬん》という如....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
せて上げようと思いまして」と無体極まる言葉を吐いて呵《から》々と打ち笑った、余は
怒髪冠を衝くと云う程の鋭い声で「実に貴方がたは失敬です、人を一室へ閉じ込むなどと....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
うだ、今日生きながら悪魔になろうと誓った首途の犠牲に、そいつを踏み潰してやろう」
怒髪天を衝き眼は爛々として輝き、かっと大口を開いた支倉は忽ち足を飛ばして寝ている....
「ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
い髪《かみ》を立てた肥《ふと》った丈《たけ》の高い人が東洋風に形容しましたら正に
怒髪《どはつ》天を衝《つ》くという風で大股《おおまた》に祭壇に上って行きました。....
「矛盾の一形態としての諸文化組織」より 著者:宮本百合子
それぞれ意味ふかい影響を与えあっている。日本も、軍事的行動に於て所謂《いわゆる》
怒髪天を衝く態に猛勇なばかりでなく、文華の面でこのように独自であり、政府もその評....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
よって、いつの間にか大鏡の前に立っていた。そこに映る自分の姿をみると、例のとおり
怒髪天をつき、髭は鼻の下をがっちりと固めているという勇ましい有様だった。 「どう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。 驀進《まっしぐら》に――但し、跛足《びっこ》を引いて、夕暮の軽井沢の町を、
怒髪竹の皮の笠を突いて馳《は》せて行くと、 「友様……米友様……」 と助けを呼ぶ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ではない、その手で、我々を誘き寄せようとの手段であることは、もう明らかだ。彼等の
怒髪は天を衝《つ》き、闘争の血は湧き上った。 「諸君、これは尋常ではいけない、戦....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
後の、この地方一帯への見せしめのため――老中差廻しの検地役人の一行が、ことごとく
怒髪《どはつ》天を衝《つ》きました。
怒髪は天を衝いたけれども、差当り、その怒....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
大井広介がどこかの飲み屋で飲んでる最中見つけたように記憶している。このとき、私が
怒髪天をついて、バカ言え、ハゲてるもんか、と云って怒った。それで後日まで笑い話に....
「ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
だって、お前がそう頼んだんじゃないか」 「からかっちゃ、いけないよ。ワタシはね、
怒髪天をついているんだよ。痩せても枯れても、ワタシには千鳥波てえチットばかしは世....
「吝嗇神の宿」より 著者:坂口安吾
えるのか、きこえないのか、シシド君、半眼、相手になろうともしない。 この有様に
怒髪天をついたのはオタツであった。天下ただ一人の男とたのむ亭主が両手をついてシド....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
に、この君ならでは……馬前に死すという忠節を致したのである。ところが信長のように
怒髪天を衝いて真正面からその非を荒立てて責めるというやり方では、結局本人の反感を....