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怕
「怕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒中日記」より 著者:国木田独歩
五月七日 一寝入したかと思うと、フト眼が覚《さ》めた、眼が覚めたのではなく可
怕《おそろし》い力が闇《やみ》の底から手を伸して揺《ゆ》り起したのである。 そ....
「運命論者」より 著者:国木田独歩
程|狼狽《ろうばい》して居るようでした。それで声さえ平時《いつも》と変り、僕は可
怕《こわ》くなりましたから、しく/\泣き出すと、父は益々《ますます》狼狽《うろた....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
るというのであった。そしてその「一匹食わんうちに」という表現でまたその婆さんは可
怕《こわ》い顔をして吉田を睨《にら》んで見せるのだった。吉田はそれですっかりその....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
事があるが、存じておるか」 「左様でござりましたか。あてはまた、あまり旦那はんが
怕《こわ》い顔していなはりますゆえ、叱られるのやないかと思うたのでござります。お....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
とく市に於いて杖殺させた。 そのなかに大寧坊に住む張幹なる者は、左の腕に『生不
怕京兆尹』右の腕に『死不
怕閻羅王』と彫っていた。また、王力奴なるものは、五千銭を....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
すか」 「いえ、あの時のあの者でござります。江戸お旗本のお殿様とも存ぜず、何やら
怕うござりましたゆえ、ついあの時は逃げましたなれど――」 「逃げたそなたが、また....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
石屋! そちらの下郎!」 「へえ……!」 「その方のところはどうじゃ。眉間に少し
怕そうな疵痕があるにはあるが、優しゅうなり出したとならば、女子よりも優しゅうなる....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
くと、奇怪なあの目を空に見開いたまま、ふるえふるえあとずさりして、物をも言わずに
怕々とそのまま消えるように立ち去りました。 「おかしな奴よのう。わッははは、これ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「俺だ! 小芳! どうしたんだ!」 「あッ……」 ふッと息を吹きかえすと、 「
怕い!……。
怕い
怕い!……」 かきすがりざま訴えた言葉がまた奇怪でした。 「白....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
雨の中で何やら倒れた音が厶りましたゆえ、さすが気丈の赤堀先生もぎょっとなりまして
怕々すかして見ましたところ、子按摩はやはりいたので厶りました。見事な居合斬りに逆....
「流行暗殺節」より 著者:佐々木味津三
んじゃ、いやか」 「てへっ。こういうことになるから、おらが隊長は、気むずかしくて
怕いときもあるが、なかなか見すてられんです。――きいたか。丸公。事が騒動になって....
「○○獣」より 著者:海野十三
。ウン、そうだ。もっと近くへ行って、何が出てくるか、よく見てやろう」もう、敬二は
怕れ慄えてばかりいなかった。何だか訳のわからぬ不思議なことが始まったと気づいた彼....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
とき、僕は姉からこんな怪談をきかされたのを、おもいだします。ある男が暗い夜道で、
怕い
怕いお化けと出逢う。無我夢中で逃げて行く。それから灯のついた一軒屋に飛込むと....
「地上」より 著者:島田清次郎
危険に飛び込んで抜手をきって切り抜けて見せたい。そして彼のこの成長は深井にはやや
怕い気がしたが、和歌子には半年前までの無性に可愛いという感情よりも、彼のうちにあ....
「怪談綺談」より 著者:小酒井不木
ーの上に、かのギリシャ神話の中のシビルの絵が額にして掛けてあったからで、別に何も
怕いところはないのに彼女だけは、いわば虫の好かぬとでも言うのか、その絵を限りなく....