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「怖く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怖くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
す。お栄はそれを見ると同時に、急に※《こおろぎ》の鳴く声さえしない真夜中の土蔵が怖くなって、思わず祖母の膝へ縋《すが》りついたまま、しくしく泣き出してしまいまし....
星座」より 著者:有島武郎
ら、おせいの様子をちらりちらりと探るように見た。優《やさ》しいかと思うときゅうに怖くなるような眼だった。 「で、その金を借りだしてどうなさろうというのかな」 ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
連出すより、もっと容易いのは通相場よ。 こう、もう威張ったって仕ようがねえ。恐怖くはないと言えば、」 と微笑みながら、 「そんな野暮な顔をしねえで、よく言う....
海異記」より 著者:泉鏡花
い、と此家の兄哥がいわしっけ。 おら堪んなくなって、ベソを掻き掻き、おいおい恐怖くって泣き出したあだよ。」 いわれはかくと聞えたが、女房は何にもいわず、唇の....
白蛇の死」より 著者:海野十三
女だって言うけど、腕も脚も無いんですってさ」 「あら、何うしましょう。私見るのが怖くなっちゃったわ」 その声に土岐はがばと跳ね起きた。そして手早く洋服を着てし....
薬草取」より 著者:泉鏡花
鳴いたから、娘は緊乎と私を抱く。その胸に額を当てて、私は我知らず、わっと泣いた。怖くはないよ、否怖いのではないと言って、母親の病気の次第。 こういう澄み渡った....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
蛇だか知らない男と一つ処……せめて、神仏の前で輝いた、あの、光一ツ暗に無うては恐怖くて死んでしまうのですもの。もし、気になったら、貴方ばかり目をお瞑りなさいまし....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、 「あのう、壁の方を向いておりますと、やはりあすこから抜け出して来ますようで、怖くってなりませんから、どうぞお顔の方に向かしておいて下さいましな。」 「うむ、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
したが、兎に角こんな苛責の光景を見るにつけても、自分の現世で犯した罪悪がだんだん怖くなってどうにも仕方なくなりました。私のような強情なものが、ドーやら熱心に神様....
錦紗」より 著者:犬田卯
、何をするにも気をつけてやるようなもんで。」 「でも、悪い日だなんて言われると、怖くなって何も出来なくて困ることもあるんだねえかしら。」 「そんな人は九星にとっ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
そんなことはねえ、神様の杯、なんとかかんとかって怒り出しちまってね。おいささん、怖くなっちまって、肴に蟹やるから、酒だけは勘弁してくろッちわけでね、なんでも蟹二....
「ああしんど」」より 著者:池田蕉園
しくて、何にも悪い事はあるんじゃありませんけれども、私の祖父は、「口を利くから、怖くって怖くって、仕方がなかった。」って言っておりましたよ。 祖父は私共の知っ....
夜釣の怪」より 著者:池田輝方
者ではなかったのです。水の中も掻き廻わしたくらいなのですけれど、千住へ来るまでは怖くって口も利けなかったと言ってたそうです。 それから私の祖父も釣を止しました....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
、また一寸には痿えますまい。』と声を低めて言う。 漁『切られるかと思って、何だか怖くなって来た。』 船『なアに大丈夫です。気永くおやりなさい。』 漁史の動悸は....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
き纏いになって、誰もいないと眼の色変えていろいろ仰しゃるんでございますよ。とても怖くって、文夫様があんなにご親切でなかったら、迚も綾子様は武雄様が怖くって、御木....