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怖気
「怖気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怖気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
。 が、見物席にいる家中の者は、忠直卿の心のうちを解するに苦しんだ。殿御狂気と
怖気《おじけ》をふるうものが多かった。忠直卿は、これまでは癇癖こそあったが、平常....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いとのことであった。 半七は肚《はら》のなかで舌打ちした。小僧のあげられたのに
怖気《おじけ》がついて、与之助はどこへか影を隠したのではあるまいかとも疑われたの....
「食魔」より 著者:岡本かの子
のいったまこととかいうものを突き詰めて行くのは、安道学らしくて身慄いが出るほど、
怖気が振えた。結局、安心立命するものを捉えさえしたらいいのだろう。死の外にそれが....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
込のパテント付のピーボヂーにもマルチニーにも怯ともせず、前へ前へと進むから、始て
怖気付いて遁げようとするところを、誰家のか小男、平生なら持合せの黒い拳固一撃でツ....
「形」より 著者:菊池寛
いつもとは、勝手が違っていることに気がついた。いつもは虎に向かっている羊のような
怖気が、敵にあった。彼らは狼狽え血迷うところを突き伏せるのに、なんの雑作もなかっ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
もしませんけれど、少し何んですから、まあ、潜と行って見ていらっしゃい。」 果は
怖気立ちて、 「嫌だ、恐いもの。」 「ちっとも恐いことはない。私がここに見ていま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
船などにとどまってはいないのだが、と言っている。 実際、あの奴さん、ほんとうに
怖気がついているのである。そこで、私は今朝あいつを落ち着かせるために、クロラルと....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
、廊下を踏む足音が低くひびいた。 「おや、泥棒か知ら。」とお菊は今夜に限って急に
怖気立った。彼女は慌てて俯伏して再び衾を被っていると、枕もとの襖が軋みながらに明....
「薄どろどろ」より 著者:尾上梅幸
や他の間の電気はそんな事はないので、はじめ怪しいと思ったのも、二度目、三度目には
怖気がついて、オイもう止そう、何だか薄気味が悪いからと止したくらいでした。 ▲『....
「審判」より 著者:カフカフランツ
やしいと思います。むしろ僕は、役人たちが怠慢なためか、忘れっぽいためか、あるいは
怖気を振ったためかで、手続きはもう中止になったか、次のときには中止になるかするも....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ったそうです。もっとも地の利は充分チベット人が占めて居ったのですけれども、元来|
怖気が付いて居るものですから充分働くことが出来なかった。加うるにその大将あるいは....
「大力物語」より 著者:菊池寛
いたと見え、顔色が急に青ざめたと見ると、たちまち人質を放して逃げ出した。いったん
怖気づいただけに、たちまち村人に捕えられてしまった。その男を村人達は、光遠の家へ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
を正して寄って来た。 集会の場所では〈めだか〉夫婦もなかなか豪胆である。少しも
怖気ないで蛙の側に坐る。市長は小さくなって見ていた。やがて、「議長」と〈めだか〉....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
た、とあとで気がついて薄気味悪るく思っていると、まゆみが死んだ、それを聞いて益々
怖気づいているという話なんです」 「百合子を調べた結果は?」 「何を訊いてもただ....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
まあ珍らしい変なお話ですね。最初からそんな事があっちゃあ、宮城野さんでなくっても
怖気がさしてしまいますわね』 私は在留民がいくら酒に酔っていても総領事夫人に怪....