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思い人
「思い人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い人の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、なにとぞお慈悲を持ちまして、悪人にはござりまするがわたしには掛け替えのない心の
思い人、大島弥三郎めをご寛大のご処分くださりませ。右あらあら書きしたためたしだい....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ているのに引替え、これはまたすこぶる退屈しなくなり出した者は、主水之介にいとしい
思い人の京弥を新吉原から土産に持って来て貰った妹の菊路でした。 また人間、菊路....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
から出入りしておりましたるお檀家《だんか》の裕福なお家さまが、命とかけたわたしの
思い人を金にまかせて奪い取り、ふたり手を携えこの江戸に走りまして、四谷《よつや》....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ずく盛遠になった雄ざるの太夫《たゆう》は、一段と器用なできばえのうえに渡と信じて
思い人の袈裟御前を突き刺すあたりは真に迫っていたものでしたから、もとより満場は割....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
参ろうぞ。京弥! 京弥!」 ずいと大刀引き寄せながら、呼び招いたのは愛妹菊路の
思い人京弥でした。 「そちも聞いたであろう。退屈払いが天から降って参った。吉原へ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と、恥ずかしそうにうつむきながら、駕籠の向うにかくれていたのは、まさしく妹菊路の
思い人霧島京弥です。 「わッははは、そちもか。もッと出い。こッちへ出い。恥ずかし....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まを残しておいて、娘の春菜は男雛を、せがれの六郎次はまた女雛を、それぞれいとしい
思い人思い雛に愛し祭りながら、この年までの十二|歳十二春、なんのまちがいもなく飾....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
「野守」に就き、或は天智天皇を申し奉るといい、或は諸臣のことだといい、皇太子の御
思い人だといい、種々の取沙汰があるが、其等のことは奥に潜めて、野守は野守として大....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
帰ってきてからの、私の働きはほんとうに乏しいものであった。私は過去を顧み、将来を
思い人生の涯を味わっていた。その貧しい間にありながら、妻は何の不平もなく五人の子....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と思う口惜しさに、お米は少しふるえて言った。 「口でそうはいうものの、私の恋しい
思い人は……」 「ほーれ、やっぱり眼易があたっていやがる」 「真顔になって、何も....