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思い余る
「思い余る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い余るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
っと注目した。勿論、息のつまる注目である。 「……私は……」と彼は軈《やがて》て
思い余るものの如く口走った。「私は此の頃、悪い悲痛に取りつかれている。お前にそれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
今の庵主は五十|許《ばかり》の品のよい老女で、この老女がこの頃になって何か胸に
思い余ることがありげに、しきりに心を苦しめているのが、そう思って見れば他目《よそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いのに お前だけはその頭上に 降る雪を寄せつけないで 天に向って焔をあげる 胸に
思い余る火があって 外に燃ゆる恨みが いつまでもお前を若くし さながら、乙女の ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と言って兵馬は、その二品を前へ出したきりで腕を組んでいました。兵馬の胸にも実は、
思い余ることがあるのであります。 「宇津木様、どうぞ殿様のお言葉をお聞かせ下さり....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のであったが、表面は素知らぬふうを見せて、おおように物思いをしていた。宰相中将は
思い余る時々にだけ情熱のこもった手紙を雲井の雁へ書いた。だが誠をか(偽りと思ふも....
「源氏物語」より 著者:紫式部
あるから何を言うこともおできにならない。 「あまりに少女らしいではありませんか。
思い余る心から、しいてここまで参ってしまったことは失礼に違いございませんが、これ....