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「思い切った〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い切ったの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
『たとい子供じみた夢にしても、信ずる所に殉ずるのだから、僕はそれで本望だ。』と、思い切ったように答えました。その時はこう云う彼の言《ことば》も、単に一場の口頭語....
捨児」より 著者:芥川竜之介
ついて、震える声を抑えながら、「私《わたし》はこの子の母親でございますが、」と、思い切ったように云ったそうです。これにはさすがの日錚和尚も、しばらくは呆気《あっ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
じゃあの婆の家へは行かないでも、近所まで偵察《ていさつ》に行って見ようか。」と、思い切ったらしく云うのです。新蔵も実は悠長にこうして坐りこんでいるのが、気が気で....
或る女」より 著者:有島武郎
打つとでもいったように、しばらくの間どぎまぎ躊躇《ちゅうちょ》していたが、やがて思い切ったふうで、黙ったまま引き返して来た。身のたけも肩幅も葉子とそう違わないほ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
た仁右衛門の腹の中とは全く裏合せな煮《に》え切《き》らない景色だった。彼れは何か思い切った事をしてでも胸をすかせたく思った。丁度自分の畑の所まで来ると佐藤の年嵩....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
、ただで兵隊を狩り集めて来るのですから、大将は国王の財政的顧慮などにしばられず、思い切った作戦をなし得ることとなったのであります。こういう関係から、十八世紀の持....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
す。「ヤレ突けそれ突け」というのは、――この時代の事ですから、今から考えると随分思い切った乱暴な猥雑なものですが――小屋の表には後姿の女が裲襠を着て、背を見せて....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
らはらと翼のごとく搏いたのは、紫玉が、可厭しき移香を払うとともに、高貴なる鸚鵡を思い切った、安からぬ胸の波動で、なお且つ飜々とふるいながら、衝と飛退くように、滝....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
の端を引上げざまに、燈を手にして、柳の腰を上へ引いてすらりと立ったが、小用に、と思い切った。 時に、障子を開けて、そこが何になってしまったか、浜か、山か、一里....
黒百合」より 著者:泉鏡花
。 「取替ッこにしましょうか。」 「これをかい。」 「はあ、」 勇美子は快活に思い切った物言いである。 滝太郎は目を円にして、 「不可え。こりゃ、」 「それ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れます。お顔はどちらかといえば円顔、見るからに大そうお陽気で、お召物などはいつも思い切った華美造り、丁度桜の花が一|時にぱっと咲き出でたというような趣がございま....
活動写真」より 著者:淡島寒月
って、今日のチャプリンとはまた異った味いがあった。チャプリンはさすがに米国一流の思い切った演出法であるから、それが現代人の趣味に適ってあれだけの名声を博したので....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
ても、安らかに暮して行くつもりか」 杜子春はちょいとためらいました。が、すぐに思い切った眼を挙げると、訴えるように老人の顔を見ながら、 「それも今の私には出来....
」より 著者:秋田滋
実直そうな顔をしており、その顔立ちにはどことなく凛としたところがあって、何かこう思い切ったことをやりそうな眼つきをした男である。 傍聴席にはまたしても嘲罵の口....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
かげで留置場内で話がまとまり、争議が解決したのだからケッ作だ。青木署長もなかなか思い切ったことをしたものである。 演説をやれば「注意、中止、検束」、デモでは先....