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思い合せる
「思い合せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い合せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
たかと見えるテーブルに似た岩山が、晴れた空にくっきり聳え立った父の村里の風景とを
思い合せるごとに、それが先祖の頭から消えたことのなかった日日の生活の背景かと思い....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
本郷の天啓顕真術師久佐賀義孝という男のところへ身のふりかたを相談しに行ったことと
思い合せると、今日の読者として或る感想なしには居り難い。 萩の舎の代表する社会....
「白日夢」より 著者:豊島与志雄
して彼は電車を降りていった。僕は全く茫然としてしまった。いつかちらと聞いたことを
思い合せると、其の下宿は君、やはりNの下宿なんだから。」 卓子の上に両肱をのせ....
「探偵小説アルセーヌ・ルパン」より 著者:婦人文化研究会
た。しばらくその後姿を見送っていた探偵は、その時のそわそわした落着かぬ様子を後で
思い合せることがあった。 警視庁から、警視がやって来た。大佐の置手紙は開かれた....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
は石蒜が人里近く分布しているという事。そこにふと気が附いた。気が附いて、いろいろ
思い合せると、どうもそうらしい。山にも生えていないし、曠野にも見当らない。 石....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
へ出て来た。
「何ちらさまで?」
庄吉は、南玉が、出て行ったままで戻らないのと
思い合せると、もう、自分の判断に、間違いはないと、考えた。そして、小太郎と、深雪....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
を抱いたことであろうし、ひいては大阪の復興に自信が持てたことであろうし、あれこれ
思い合せるとまことに「春は文楽復活の記事に乗って」大阪へ来たかの感があった。とも....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
か地の利のよいところで」
と、いい捨ててそこを立ち去った。
――一方、
思い合せると、ちょうどその時刻。
志賀山と瓜生山の間ノ沢あたりで、お通から別れ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
下り、きょうは海路の旅へ、初めての夜を送ろうという旅程にある人々であった。 今
思い合せると、この晩春ごろ、高野を下り九度山へ立寄って去った長岡佐渡の主従は、そ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
して来ているものと、右馬介はにらんでいる。 「その佐々木道誉が?」 あれこれ、
思い合せると、主人思いな右馬介の心には、鵺の住む一|朶の黒雲のなかに、主君の運命....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
人民ともっとも多く接触する神霊に、その名を用いた例が他にも沢山ある。これによって
思い合せることは、西の方の諸県では現在は村共同に、鎮守の社において行う烏祭を、東....