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思い当る
「思い当る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い当るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
外する事が出来なかったのだ。」と、問い詰《つめ》るのでございます。私はその事実に
思い当ると、必ずぎくりと致しました。ああ、何故私は妻を殺したなら殺したと云い放て....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
業ということになると、一番|戦慄を感じたのは、若い男と、例の女だ。二人とも大いに
思い当るところがある。というのは、自分達が手を下して闇から闇へ送ってしまった胎児....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
鹿だなァお前は。あれは帆村という探偵だぜ」 「探偵? やっぱりそうか」 「どうだ
思い当ることがあろうがナ」 「うん。――いいや、無い」 「う、嘘をつけ。おれが力....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
前だったが、気の毒なことに首が二つあった。つまり両頭の人間だったのだ。そういえば
思い当るだろうが、真一君の肩にあるあのいやらしい瘢痕のところには、昔もう一つの首....
「地球盗難」より 著者:海野十三
に眼を丸くして愕いていたが、 「――先生、よく分りました。そういわれればいろいろ
思い当ることがあります。だから僕は最初あの真暗闇の森の中で先生にお話したでしょう....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
ないと考えたからなんだろう。――ところが、実行をしてみると誤算が現われた。ねえ、
思い当るだろう」 「……」 「心臓を盗まれた男というんで、恋敵を一躍有名にしてし....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
されて、手足四本とも義手義足をはめられていられる方なんだ。いいかね、そこでお前は
思い当ることがあるだろう」 「おお……」 「義手や義足をピストルで撃ってみても、....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
訊問を進めた。 「さあ、はっきりとは知りませんね」 「はっきりでない程度では何か
思い当ることがありますか」 「さあそのことだが……」といいかけて亀之介は消えかか....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
なければならないか、その理由の本体については光枝は何にも知らなかったし、なんにも
思い当ることがなかった。 犠牲の大花瓶 小間使ギンヤの什器破壊作業は、そ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
も褄のなずまぬ、はで姿、と思うばかりで、それはよくは目に留まらなかった。 が、
思い当る……葬式の出たあとでも、お稲はその身の亡骸の、白い柩で行く状を、あの、門....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
れ、うなぎ屋へはいくらかの償いを出して済んだことがありましたが、その以外には別に
思い当るような事もありません。」 単にそれだけのことでは、わたくしの夫と鰻との....
「兜」より 著者:岡本綺堂
御成道の道具屋はどうした。」と、勘十郎はなじるように訊いた。 「それが今になると
思い当ることがあるんです。御成道の道具屋の女房はこの七月に霍乱で死にました。」 ....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
ような形をみせた。医者もその病症はわからないと言った。しかし吉次郎にはひしひしと
思い当ることがあるので、その枕もとへ寄付かない養母をきびしく責める気にもなれなく....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
りが見たというのでは、まだ本当の証拠にはならないのだ。(お妙に。)おまえにも何か
思い当るようなことは無いかな。 お妙 さあ。(又かんがえる。)そう云えば、このあ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
宜うございますが、こんな時には、ちとどうも、と座敷の四隅に目を配りぬ。 泰助は
思い当る事あれば、なおも聞かんと亭主に向い、「談してお聞かせなさい、実に怪談が好....