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思い悩む
「思い悩む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い悩むの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
いる事が苦しくなって、思いきって木村にすべてを打ちあけて、関係を絶《た》とうかと
思い悩むような事が時々あった。その矢先なので、葉子は胸にことさら痛みを覚えた。そ....
「花燭」より 著者:太宰治
でもないことである。私は、三十円の為替を拝むにちがいない。 私は、服装のことで
思い悩む。久留米絣《くるめがすり》にセルの袴《はかま》が、私の理想である。かたぎ....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
まで一度もそんな経験をしたことがなかったので、そんなときは第一にその不安の原因に
思い悩むのだった。いったいひどく心臓でも弱って来たんだろうか、それともこんな病気....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えって、よくよくこれを右門とともにわれわれも考えてみるとき、かれがかくのごとくに
思い悩むのは、一面また無理のないことというべきでした。 なぜかならば、そこに材....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
中心に、しばし雑談に時を移したが、その間も葉子は始終|俛きがちな蒼白い顔に、深く
思い悩むらしい風情を浮かべて、黙りとおしていた。それが病気のためだとしても、そん....
「源氏物語」より 著者:紫式部
たふうであった容体がまた非常に険悪なものになってきた。かえって宮御自身は御息所の
思い悩む点を何ともお思いになるわけはなくて、ただ異性の他人をあれほどまでも近づか....
「源氏物語」より 著者:紫式部
なかった。悲しいことである、この命をどうして引きとめることができるであろうと薫は
思い悩むのであった。不断経を読む僧が夜明けごろに人の代わる時しばらく前の人と同音....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
る。併しこの歌は、そういう詮議を必要としない程統一せられていて、読者は左程解釈上
思い悩むことが無くて済んでいるのは、視覚も聴覚も融合した、一つの感じで無理なく綜....
「土地に還る」より 著者:豊島与志雄
思いを邪魔するからだったのでしょうか。 土の匂いと青葉の匂いとの中で、彼が最も
思い悩むのは、木村明子にどう返事を書いたらよいかということでした。 木村明子は....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ひろげられ、しばらく唖然とするよりほかなかつた。床にははいつたものゝ、あれこれと
思い悩むばかりで、なにひとつ、解決のいとぐちを見出すことはできず、冴えかえる瞼を....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
ものではない。しかたがないからという諦めである。 ここまで回顧して来て、いつも
思い悩むのはその奥である。何が自分をして諦めさせるのだろう。私に取ってはそれが神....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いろの雲がそこにはたなびいている。 弦之丞は沈黙をまもり、お綱は眠りを装って、
思い悩む。 「ああ、もっとあの山が、遠ければいい……」剣山にいたることが遠ければ....
「三国志」より 著者:吉川英治
託してからは、 「わが妻や子はどうなったか。ふたりの義弟はどこへ落ちたのか……」
思い悩むと、春日の長閑な無事も悶々とただ長い日に思われて、身も世もないここちがす....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
、彼も観念していた。 (引き戻せないとしたら?) 今は、それを思うのだ、それを
思い悩むのだ。 翌日―― 垂井を立つはずの、大谷勢は、依然として、宿長の邸に....