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思い比べる
「思い比べる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い比べるの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
らと言って――」と嫂は好い婿を取らせて子供まである自分の娘の愛子に、輝子の出世を
思い比べるような調子で言って、やがて節子の方を見て、「節ちゃんも、好い叔父さんを....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の置いて行く行幸のうわさなぞを持ち寄って、和宮様御降嫁当時のこの街道での大混雑に
思い比べるのは桝田屋の小左衛門だ。助郷徴集の困難が思いやられると言い出すのは梅屋....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ことに思い比べ、品川の沖には花火まで揚げて見送るもののあった出発当時の花やかさに
思い比べると、おそらく旅の末はさびしく、しかも苦い経験であったろう。たとい大使ら....
「家」より 著者:島崎藤村
真実に、子供があると無いじゃ、家の内が大違いだ」と言って、お種は正太の家のことを
思い比べるような眼付をした。 その日、お種は心易く振舞おう振舞おうとしていたが....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
けることが出来なかった。これは終生私の不幸の思い出である。ロマン・ローランなどと
思い比べるとき、この悔いは私にはかなり深いものだ。 すべての人間はその感受性と....
「書について」より 著者:高村光太郎
しかも天真さに欠け、一点|柔媚の色気とエゴイズムのかげとを持つ趙子昂の人物などと
思い比べると尚更はっきり此事がわかる。書を学ぶのはすなわち造型美の最も端的なるも....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
心を一つにした時代、父の心を鵜呑みにしていた頃の言で、後年の二十代三十代の定家を
思い比べると、この言には父の影響によるところがよほどあるように思う。しかしそうで....