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「思い込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
う。葉子が気を落ち付けて、米国に着いてからの生活を考えてみると、こうあってこそと思い込むような生活には、木村はのけ物になるか、邪魔者になるほかはないようにも思え....
或る女」より 著者:有島武郎
。眠りだ。長い眠りだ。それだけのものだ」 と貞世の寝息をうかがいながらしっかり思い込むような時もあったが、同時に倉地がどこかで生きているのを考えると、たちまち....
春の盗賊」より 著者:太宰治
けれども、私が以前の数十篇の小説を相変らず支持しているからといって、私を甘いと思い込むのは、誤りである。私がこのごろ再び深く思案してみたところに依《よ》っても....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
面白くなかった。雨が降り込むことをうっかり忘れていた間抜けさ加減を嗤われた――と思い込むほど、春隆も貴族の没落を感じている昨今妙にひがみ易くなっていた。 一つ....
思い出の記」より 著者:小泉節子
した。非常に冷遇されたと思っていました。普通の人に何でもない事でも、ヘルンは深く思い込む人ですから、感じたのでございます。大学には永くいたいと云う考は勿論ござい....
去年」より 著者:伊藤左千夫
気がついて、埓もなくびくびくするのだ。 こんなことじゃいかん、あまりひとすじに思い込むのは愚だ。不景気も要するに一時の現象だから一年も二年も続く気づかいはない....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
変に応じてどんなことでもやるのだから、その一斑を見てすぐ今のフランスは早がきだと思い込むことはどうかと思う。そして技術がないことからその早がきはほんとに味なく潰....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
かしい――。が、あのお宮は真実に去って了うか知らん? ――自分は何うも夢を真実と思い込む性癖がある。それをお雪は屡※とそう思ったからであろうが、私には、あゝ言っ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
身の毛もよだつような、いなそれ以上の、筆舌に尽しがたい災害の行為を犯して(と私は思い込むんでいた)、まだ隠れているからだ。けれども私の心にも、親切と徳を愛する心....
地上」より 著者:島田清次郎
れ、村全体は貧窮に苦しむようになり、しかもそれが感謝すべき自然な状態であるとさえ思い込むようになってしまった。お光がまた幼かった頃、終日を野に出て労働して日が海....
想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
は持って来いのよき質料である。 美術というものを何でも写実でなくてはいけないと思い込む人が多いが写実は美術の最も一般的な道ではあるが決して写実のみが美術ではな....
花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
善人をいためさし、金品を巻き上げ、婦女子をかどわかし、その為に泣きの涙で自殺まで思い込む呉服問屋の伜清二郎に義憤を感じた腰元実は義賊、弁天お蝶(筑波澄子扮する)....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
とは仲々この夜更けの海岸に適わしい言葉だけど――と言っている様に思ったのだ。そう思い込むと、ぼくは急に顔が赤くなった。言葉に窮した。誇張して言うと、出番を間違え....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
らいだ。僕がもともとよく放心状態に陥るくせがあるものだから、人々はやはりそれだと思い込むのだろう。人が低声で話しているとほとんど聴こえない。響きのほうは聴こえる....
家庭料理の話」より 著者:北大路魯山人
ものを利用することに無頓着のようだ。 出盛りのさんまより場違いのたいをご馳走と思い込む、卑しい陋習から抜けきらないところに原因があるようだ。 「腐ってもたい」....