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「思い迷う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い迷うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
が一生一度の命までもと契った恋でござりますもの、夢にもお姿忘れかねて、いろいろと思い迷うた挙句、御仏に仕えるお方じゃ、いっそわたしも髪をおろして尼姿になりました....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
の生活をいくらかでも古風なロマンティックにしてみたい癖のある彼には、そんなふうに思い迷うのが興味を惹《ひ》かないこともなかった。そうして彼は人間が生きると言うこ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
便に擬しあったので、その用意の細かに感じ、いかでかこの人に会わずしてはやみなんと思い迷うて焦《こが》れ死んだと見ゆ。以て以前邦人が香の嗜み格別で、今日|雪隠《せ....
五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
れて、自分たちの活動の基準をどこにおいたら、たたかれないで育つことができるのかを思い迷うこころもちにもおかれた。 一九四九年に、職場の労働者作家は、ストライキ....
追憶」より 著者:宮本百合子
云う神様と、美味しいお菓子や御飯を下さる神様とは、どっちがほんとうの神様かしらと思い迷うた事が決して一度や二度ではなかった。 その様な風であったから、神様を有....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
来た。着するや直ちにある裏店に居を占め、さて如何なる仕事に就いたものであろうかと思い迷ううち、国もとから持って来た金のうち二十円を食い尽して、残るところ僅かに二....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
貴女が、坐っていた辺りを見ますと、私の感じは私をあざむいの眸であったのかと、私は思い迷うようになりました。私は、この頃では貴女に見詰められることが段々苦しくなり....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
けることが出来たかも知れない。然し、臆病な人間の常として、結果を予想して、色々と思い迷うものであるから、静也は打ちあけたあげくの怖ろしい結果を思うと、どうしても....
私本太平記」より 著者:吉川英治
存ずる旨を、ありていにお告げ申した方が正しいだろうか、夫婦して、お身の上なども、思い迷うたのではございましたが」 「…………」 「しかし、行きずりの御縁と見すご....