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「思えらく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思えらくの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
源おじ」より 著者:国木田独歩
て雨の音きく夜《よ》など、思いはしばしばこのあわれなる翁《おきな》が上に飛びぬ。思えらく、源叔父今はいかん、波の音ききつつ古き春の夜のこと思いて独り炉《ろ》のか....
自転車日記」より 著者:夏目漱石
黙っている、とそれならこれにしようと、いとも見苦しかりける男乗をぞあてがいける、思えらく能者筆を択《えら》ばず、どうせ落ちるのだから車の美醜などは構うものかと、....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
が、ミスミス駄目になって行くのだから……号哭、起つ能わずとあるが道理千万……遂に思えらく、吾、一度天下のために倫常を超ゆ。復、何をか顧んという破れかぶれの死に物....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
しば陥る一つの外道がある。それは人間の生活に一つのプログラムをつくることである。思えらく「完全と調和とはたやすく達せられるものではない。それは老年期に属すること....
丹下左膳」より 著者:林不忘
なんとかほどよくばつを合わせて歩きながら――。 つづみの与の公、心中ひそかに思えらく。 これはなんといっても相手が悪い。今ここで下手《へた》にあがこうもの....
丹下左膳」より 著者:林不忘
自分との間へ座を占めた源三郎へ、お蓮さまはチラ、チラと横眼を投げて、心中ひそかに思えらく。 もとよりこれは、ただの植木屋ではあるまい。なにか大いに曰くのある人....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て、それらが交錯してつくり出している感銘はいかにも捉えにくいのだって。 それで思えらく、その人は(松山さん)人の印象の構成を静的にとらえようとしているのね。こ....
臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
グ・ベン引込線、パーシヴィアランス引込線の三を「可能なる」ものと認むるものなり。思えらく、右諸炭坑には、一種の秘密結社の如きものあって、列車をも乗客をも闇の中に....
読書と著書」より 著者:矢内原忠雄
る事を読者に要求するは、無理な注文であろう。だから之はやはり手前味噌である。ただ思えらく、アウグスチヌスやアダム・スミスは我々よりは比較にならぬ程偉大であったと....