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思ほゆ
「思ほゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思ほゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜の靴」より 著者:横光利一
、と思うことは誤りだろうか。 淡海のみゆふなみちどりながなけば心もしぬにいにしへ
思ほゆ(人麿) 何と美しい一行の詩だろう。これを越した詩はかつて一行でもあった....
「死者の書」より 著者:折口信夫
っきりと内容を持って、心に浮んで来た。 うつり行く時見る毎に、心|疼く 昔の人し
思ほゆるかも 目をあげると、東の方春日の杜は、谷陰になって、ここからは見えぬが、....
「かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
れにいざり寄って、何だろうと開けて見ると、「君をのみたのむ旅なる心には行末とほく
思ほゆるかな」と認《したた》められてあった。見るべき人が見るようにと書き残された....
「源氏物語」より 著者:紫式部
まで若返りたいのであろうと醜く思った源氏は皮肉に、 かざしける心ぞ仇《あだ》に
思ほゆる八十氏《やそうぢ》人になべてあふひを と書いてやると、恥ずかしく思っ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
恨みが述べてあった。当の斎院には、 かけまくも畏《かしこ》けれどもそのかみの秋
思ほゆる木綿襷《ゆふだすき》かな 昔を今にしたいと思いましてもしかたのないこと....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の空飛ぶ声の悲しき と源氏が言う。良清《よしきよ》、 かきつらね昔のことぞ
思ほゆる雁はそのよの友ならねども 民部大輔《みんぶたゆう》惟光《これみつ》、....
「源氏物語」より 著者:紫式部
なければならない自分であるということをはかなんだ。 かけて言はば今日のこととぞ
思ほゆる日かげの霜の袖にとけしも 新嘗祭《にいなめまつり》の小忌《おみ》の青....
「源氏物語」より 著者:紫式部
春の日の光の名残花ぞのに匂ひ薫ると
思ほゆるかな (晶子) 光君がおかくれになったあとに、そのすぐれた....
「源氏物語」より 著者:紫式部
のも恥ずかしくて、心のうちでは貫之朝臣が「糸に縒るものならなくに別れ路は心細くも
思ほゆるかな」と言い、生きての別れをさえ寂しがったのではなかったかなどと考えてい....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ある。 ○ 秋の野のみ草苅り葺き宿れりし兎道の宮処の仮廬し
思ほゆ 〔巻一・七〕 額田王 額田王の歌だが、どういう時に詠んだものか審かでな....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
て、やや、もって廻れるの非難はあらんも、これまたむらく独特の場面なりしと今にして
思ほゆ。 ――先代桂春團治が『らくだ』は、一度、紅梅亭の客薄き夏の夜に聴きたる....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
あり、われ生きてあり。私は戦地で詠んだ、 今日もまた生き残りたる玉の緒の生命尊く
思ほゆるかも を思い出し幾度も詠んだ。水から上がって拭きながら見て驚いた。右半身....