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思想犯
「思想犯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思想犯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
、それに肺病の人はみんな向うの一舎にはいる規則です。肺病でこっちの二舎に入るのは
思想犯で、みんなと接近させないためですよ。戒護のだらしなさは、上の役人自身認めて....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
。でこの宗教乃至類似宗教が邪教=インチキ宗教として犯罪取締りを受けるのは、一般の
思想犯と共通な点であるらしい。社会では大本教の持っている異常精神的奇怪味を目して....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
法律も道徳的なものである。犯罪は凡て道徳的な悪として説明される、支配者は政治犯や
思想犯も、なるべく之を道徳上の干犯に見立てようとしている。そして良心や人格や性情....
「清貧の書」より 著者:林芙美子
君が絵を描こうと描くまいと、そんな事はどうでもいいんだ、一応来てもらいたい」 「
思想犯の方でですか?――僕は今ンところは臨時|雇《やと》いで、今日行かないと、ま....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
へ行きたく思った。そこで、ひろ子はたった一人むき出しの生活をしなければならない。
思想犯の妻という、狭い暮しであるかもしれない。しかし、そこではひろ子はひろ子なり....
「ヒューマニズムへの道」より 著者:宮本百合子
加賀耿二氏の「希望館」という小説が三月号の『中央公論』に載っている。 僧侶によって経営される
思想犯保護施設である希望館の内部生活の描写とその屈辱と汚穢に堪えきれなかった仙三....
「天馬」より 著者:金史良
浮べた彼の顔は、妙に痙攣を起したようにふるえた。 「一種の保護観察なんですのね、
思想犯じゃないけど……」 「そうなんですよ」と彼は泣面をかきながらおろおろ声をし....
「「道標」を書き終えて」より 著者:宮本百合子
な家族制度――裁判所と警察がまっさきになって、封建的な家族制度のしがらみによって
思想犯を苦しめつづけている、その日本社会の現実をみないで、ただふるくさい、さわり....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
よりも手近かに、一般にマルクス主義的風潮の流行が衰えたということなのである。左翼
思想犯人はブルジョア新聞紙上ではもはや何等の英雄でもなくなって、泥棒やギャングの....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
の親切ごかしと道徳振りとは、現代の名物である。一九三六年十一月一日から実施された
思想犯保護観察法なるものがこの手本である。立法家は之を少年保護法に準ずるものとし....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
するかのように思われる。第六十四議会では思想対策決議案が可決された、だから政府は
思想犯罪防止の機関を設置しなくてはならない義理がある。各省事務次官会議はその相談....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
議院を通過したが惜しくも貴族院で握り潰された。この改正法は、つまり転向しない左翼
思想犯人を終身拘禁しようとするものなので、貴族院でも不賛成なはずはなかったのだが....
「生きている古典」より 著者:宮本百合子
たがって生活知識のうちにうけいれられていていいはずの、この本の赤茶色が、日本では
思想犯のきせられる煉瓦色の獄衣の色に通じていた。過去十数年の間、ひどい時期には、....
「解説(『風知草』)」より 著者:宮本百合子
出すことができない。 風知草の主要な人物は重吉とひろ子という夫婦である。重吉が
思想犯として十二年暮していた獄中生活から一九四五年十月十四日に解放されて家庭へか....
「実感」より 著者:織田作之助
び投獄された。が、主義のためではない。きけば前科八犯の博徒で入獄するたびに同房に
思想犯が膝をかかえて鉛のように坐っていたのだ。 最近父親の投書には天皇制護持論が多い。....