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「思案〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思案の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
か坊主《ぼうず》が来ている、――それが不思議ではありませんか? わたしはしばらく思案した後《のち》、たとい危《あぶな》い芸当にしても、とにかくもう一度茶室の外へ....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
むしろば》りの小屋ならば、毎晩きっとあの沙門が寝泊りする所ですから、随分こちらの思案次第で、二度とあの沙門が洛中《らくちゅう》へ出て来ないようにすることも出来そ....
十円札」より 著者:芥川竜之介
り無造作《むぞうさ》に解決出来る場合だけは、――保吉は未《いま》だにはっきりと一思案《ひとしあん》を装《よそお》った粟野さんの偽善的《ぎぜんてき》態度を覚えてい....
忠義」より 著者:芥川竜之介
は、事件の性質上修理や修理の内室には、密々で行わなければならない。彼は、ここまで思案をめぐらした時に、始めて、明るみへ出たような心もちがした。そうして、それと同....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
押すと、泰さんもやはり心配そうな眼つきをして、「さあ。」と云ったぎり、しばらくは思案《しあん》に沈んでいましたが、やがてちょいと次の間の柱時計を覗《のぞ》きなが....
或る女」より 著者:有島武郎
ように圧迫して来る二人《ふたり》の間の心のもつれからのがれる術《すべ》はないかと思案していた。 「今始めて事務長から聞いたんですが、あなたが病気だったといってま....
或る女」より 著者:有島武郎
考えた。 「そうだ古藤《ことう》に電話でもかけてみてやろう」 葉子はこれはいい思案だと思った。東京のほうで親類たちがどんな心持ちで自分を迎えようとしているか、....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ていた。それは君自身にすら物すごいほどだった。空といい、海といい、船といい、君の思案といい、一つとして目あてなく動揺しないものはない中に、君の心の底だけが悪落ち....
親子」より 著者:有島武郎
るよりも、彼自身にそれを感じねばならなかったのだ。そしてそれがますます彼を引込み思案の、何事にも興味を感ぜぬらしく見える男にしてしまったのだ。 今夜は何事も言....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は私を与えよう。そしてそれらの人々から私も受取ろう。その為めには仮りに自分の引込思案を捨ててかかろう。許されるかぎりに於て大胆になろう。 私が知り得る可能性を....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
え己れにゃ、一晩中ぽかんと眼球をむいて居る苦しみったら無えや。何うしてくれようと思案の果てに、御方便なもんで、思い出したのが今云った諺だ。「空の空なるかな総て空....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
……。』めっきり小鬢に白いものが混るようになった父は、そんな事を申して何やら深い思案に暮れるのでした。大方内心では私の事を今からでも鎌倉に連れ戻りたかったのでご....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
とが肝要である。取越苦労と、心配とは絶対に禁物である。できない事は到底できない。思案にあまる事柄は、すべてわれ等に任せ、思いを鎮めて、よくわれ等の述ぶるところを....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
気色がございません」と、口を揃えて言上しました。 閻魔大王は眉をひそめて、暫く思案に暮れていましたが、やがて何か思いついたと見えて、 「この男の父母は、畜生道....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
して、ときどき腕を組み、うつむいて、床を見つめ、あたかも心のなかで何か疑いごとを思案しているようであった。彼はいわゆる用心深い人で、笑うのはしっかりした理由があ....