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「思案に暮れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思案に暮れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
た。私は、心からお気の毒に感じた。何か、すっきりしたいい言葉が無いものかなあ、と思案に暮れるのだが、何も無い。私は、やはり、ぼんやり間抜顔《まぬけがお》である。....
名君忠之」より 著者:夢野久作
の長廊下を大書院へ近づくうちに次第次第に歩度が弛んで、うなだれて、両腕を組んだ。思案に暮れる体でシオシオとお屏風の間まで来た。 「何事で御座った。大目付殿……」....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
だ。ためらう事はならぬのじゃ―― 雪之丞は、自分に、そういい聞かせて、じっと、思案に暮れる様子を作って、 「如何《いか》にも、これは、わたくしの考え違い。相手....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
……。』めっきり小鬢に白いものが混るようになった父は、そんな事を申して何やら深い思案に暮れるのでした。大方内心では私の事を今からでも鎌倉に連れ戻りたかったのでご....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
な話をしかけられたことはなし、重々気の毒とは思うけれども、どうしてやる力もなく、思案に暮れるばかりでした。 「まあ、そう思詰めないでもよいではないか。どうかして....
式部小路」より 著者:泉鏡花
管を添えて小取廻しに板の間へ押出した。 「まあ、一服おあがんなさい。」 さほど思案に暮れるほどの事でもないが、この間待って黙って控えた。奴、鼠のように亀甲羅宇....