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「思郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
憬《あこが》れる意識である。レモンの花咲く国に憧《あこが》れるのは単にミニョンの思郷の情のみではない。ドイツ国民全体の明るい南に対する悩ましい憧憬《しょうけい》....
新生」より 著者:島崎藤村
来たばかりの自分のような気もして来る。すくなくも彼がこの港をさして遠く帰って来た思郷の念は、あの長期の航海を続ける船乗の心に似たものであった。陸の上に仆《たお》....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
やヴェルレーヌが思慕したもの、ランボーを駆って漂浪の旅に出したもの、シェレーが愁思郷に夢みたもの等、悉く皆この不可思議なる「霊魂の渇《かわ》き」であって、認識の....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
り、清光を送り来たるところ、実に物外の趣ありて、人をして吟情を動かさしむ。また、思郷の念禁じ難し。 壮遊心未。 (意気ごんだ旅ではあるが、心はまだ暑さ寒さのわず....