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「急角度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

急角度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
》しつけるように命令した。車はもう三十番街に来ていたので、四《よ》つ角《かど》を急角度に旋回した。その途端《とたん》に、僕たちの車の後に迫っていた高速度のイスパ....
空中墳墓」より 著者:海野十三
微塵にくだけちった。私はウムと左腕を抑えた。咄嗟に自動車はヘッドライトと共に右へ急角度に曲った。ヘッドライトに浮び上った人影があった。逃げるかと思いの外、ヒラリ....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
のだった。 儂達の戦闘第十三戦隊の三機は、幾度となく母艦の滑走甲板から、空中へ急角度に舞いあがって、敵機とわたり合い、軽巡の戦隊を脅かした。儂達の戦隊の活躍は....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ぶるン、ぶりぶりぶり―― 航空母艦の飛行甲板からは、一台又一台と、殆んど垂直の急角度で、戦闘機が舞い上ってゆくのであった。灰白色の機翼に大きく描かれた真赤な日....
白妖」より 著者:大阪圭吉
、一台の華奢なクリーム色の二人乗自動車が、一足先を矢のようにつッ走って、見る見る急角度に暗の中へ折曲ってしまった。 「チェッ!」運転手が舌打ちした。 退屈が自....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
振ってなにやら喚き出した。近づく隼丸に気づいたのだ。と、早くも釧路丸は、ググッと急角度で左舷に迂廻しはじめた。 隼丸の前檣に「停船命令」の信号旗が、スルスルと....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
套の袖で、バスの窓硝子の曇りを拭っていると、車体はむんずと乗客を揺り上げながら、急角度に曲った。そのひまに窓外の闇はマロニエの裸木を、銅像もろとも、掬い去った。....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
芯に隔てられて、炎が十分反対側に届かなくなる。それで、蝋の燃焼が不均衡になって、急角度の傾斜が現われて来るのだ。つまり、一方は芯だけになっても、片側には幾分でも....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
へ走る。 「しっかり、気をつけろ」 と、五井が叫んだが、そのときには、足の下は急角度に傾き、四少年はずるずると滑《すべ》ってからだの中心を失った。 「あッ、落....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
な黒の中折を一つ買って、勇んで下宿へ帰ったのでした。 鍔の狭い事は格別でそして急角度深く巻き上っているのです、その角度に何んともいえない味があるのです。 巴....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
大へん優しく親切にされるようになっていた。それが、やはり毛沼博士の死を境にして、急角度に転向して、流石に言葉に出して、ちやほやはされなかったが、普通一般の夫より....
科学者と夜店商人」より 著者:海野十三
姿を没するほど運動は急激に行われるから、そのためには気圧は一瞬間に何十|粍という急角度の変動を必要とする。それは常識で考えても、又気象報告を調べても有り得べきこ....
一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
に入っている一本のリンネが、唯一の可能なルートを示している。尾根は両側のリンネへ急角度を以て落込んでいるからどうしてもそれにルートを取らなければならないと思った....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
の背景に浮出されてそこに宝珠のような形の新山が出来ていた。富士の頂から海へ引いた急角度な傾斜の線はそこで見慣れない弾みを打って畸形な瘤をつけていた。びっくりした....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
出されかかって停った。凄まじいパンク。 すれ違いさま、あわやと見たので、思わず急角度で避けようとしたのである。転覆こそは免れたが、今度こそ道の真ん中でパンクし....