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急設
「急設〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急設の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あわせ物で、ことに名人の目を強く射たものは、祭壇それ自体がつい四、五日まえにでも
急設したらしい新しさを示していたことでした。いうまでもなく、その新しいことは、畳....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
来て、あまり広くもない山頂一帯は、まだ火の手をおさめないゼムリヤ号を中心として、
急設文化都市の出現に、もうキャンプ一戸分の余地も残さないようになってしまった。 ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
崩れかかったような細い石造の階段が尽きていよいよ例のパチノ墓穴に入ると、そこには
急設の電灯が、煌々と輝いて金貨散らばる洞窟の隅から隅までを照らし、棺桶の中の骸骨....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
された。辻々には、ゴツゴツした拒馬が頑張った。 旅団司令部と、大隊本部の間は、
急設電話によって連絡された。大隊本部と、歩哨線も、緊密に連絡された。兵士は、命令....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
張って来たら 「私の所へも、私の所へも」 こ――これでないと、金はたまらない。
急設電話 約八〇〇円 長者町局特別区域外で一町十八円ず....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
ヒーの香。クラレット・ヌガ。階上階下共に、花・花・花。六十の馬|繋《つな》ぎ場を
急設する。客は百五十人も来たろうか。三時頃から来て、七時に帰った。海嘯《つなみ》....
「インターナショナルとともに」より 著者:宮本百合子
労者の足に踏みしだかれ、ポコポコになって、昼間の熱気を含んでいる。ところどころに
急設された水飲場の水道栓から溢れる水が、あたりの砂にしみている。河の方から吹く風....
「ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
が附けられた訳だ。尚一層念を入れて、その日のうちに十四号室に、警察との直通電話が
急設された。必要があれば、一瞬にしてモウパア警部を呼ぶようにというのだ。交換の方....
「元八まん」より 著者:永井荷風
木もない黄色の岡が、孤島のように空地の上に突起しているのが見え、その麓をいかにも
急設したらしい電車線路が走っている。と見れば、わたくしの立っている土手のすぐ下に....
「かもめ」より 著者:神西清
広い並木道が、観客席から庭の奥のほうへ走って、湖に通じているのだが、家庭劇のため
急設された仮舞台にふさがれて、湖はまったく見えない。仮舞台の左右に灌木の茂み。椅....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
戚故旧をたよったり、あるいは郷里へ遁げて帰ったりしましたが、それができないものも
急設のバラックに収容せられて、配給の食物に生命をつなぎ、次第に復興の緒につくこと....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
出すこともできなければ、地方から食物衣服を送って来ることもそう急には運びません。
急設のバラックもああはできますまい。幸いにして焼死圧死を免れたものも、喰うに食な....