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急調子
「急調子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急調子の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「元禄十三年」より 著者:林不忘
お席が違いますぞ。」 「はあ?」 吉良は、面白くなってきた。 「お席が違う。」
急調子に、「お席が違うというに。これ、お席――。」 「なに? 何をぶつぶついわれ....
「道標」より 著者:宮本百合子
頭に進んでいた赤旗が高く揺れたと思うと、行進は駈足にうつったらしく、それと一緒に
急調子のインターナショナルがわきおこった。はげしい調子のインターナショナルの歌声....
「罌粟の中」より 著者:横光利一
繰り込んで来た。そして、ホールの人人のサッと裂け開いた中へ流れ込むと、時を移さず
急調子に鳴りひびいたバンドに合せ、踊り撥ねる小鹿の群れのような新鮮な姿態で踊りつ....
「旅愁」より 著者:横光利一
ように見えて来るのだった。そうして、幕が降りると、観客を中央へ吸いよせるバンドが
急調子に噴き上った。
「踊りましょうか。」
と真紀子はもうこれ以上見てばかりで....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
で事務室にいた。そしてニュースの切りぬきを整理していたのだ。すると、とつぜんあの
急調子の予告音楽を耳にしたのだ。 (あッ、臨時放送がはじまる。何ごとだろうか)と....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
会主義的リアリズムに対する或る種の解釈の模型として、バルザックの花車《だし》は、
急調子に、同時に些か粗忽に、様々の手に押されてわれわれの前に引き出されて来たので....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
出して話のいとぐちをつくった。分銅《ふんどう》のついた安ものの小さな掛け時計が、
急調子でかっきり十二時を報じた。
「ちょうどかっきりお約束の時刻でございます」と....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
た。――カァン、カァン、カァン、カァン……と何時までも同じ単調な響だった。それが
急調子の読経の声の間から、絶え間なく湧き上ってきた。すぐ膝の前で力籠めて伏金《ふ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
って板木を打ちだしたが、その打ちかたは、一つ一つの音が余韻をひくいとまのないほど
急調子で、いかにも業をにやしているような乱暴さだった。 大河は、あきれたように....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
下の端のほうに、ぼんやりとした払暁の乳白色が流れこんできた。どこか遠いところで、
急調子に小太鼓《タンブール》を打つ音がしていた。 廊下の反対の側から、大勢の重....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
くで多人数のワッショ、ワッショの掛け声。それらが賑かさを通り越してヤケクソ気味な
急調子である。 やがて揚幕の奥でワッワッと罵り叫ぶ七、八人の人声がして、その中か....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
う。招待、訪問。ヴォルチャーニノフ家の教養ある空気。 第二楽章。軽快調から漸次
急調子に。――画家が自分の遊民的生活に感じる不満。しかも社会事業家型の姉娘よりも....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
で多人数のワッショイ、ワッショイの掛声。それらが賑かさを通り越してヤケクソ気味の
急調子である。 やがて揚幕の奥でワッワッと罵り叫ぶ七、八人の人声がして、その中....
「それから」より 著者:夏目漱石
こっち》の事を考えてくれたら好かろう。何もそう自分の事ばかり思っていないでも」と
急調子に云った。代助は、突然父が代助を離れて、彼自身の利害に飛び移ったのに驚ろか....