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急雨
「急雨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急雨の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ながら園は地面を見つめてしきりに右手を力強く振りおろした。
きゅうに遠くの方で
急雨のような音がした。それがみるみる高い音をたてて近づいてきた。と思う間もなく園....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
り猪の――俄に激する数千|騎」突如として山|崩れ落つ鵯越の逆落し、四絃を奔る撥音
急雨の如く、呀と思う間もなく身は悲壮渦中に捲きこまれた。時は涼秋九|月、処は北海....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に、堂に入《い》ったところがあります。大絃《だいげん》は※々《そうそう》として、
急雨のように響かせるところは響かせます。小絃《しょうげん》は切々《せつせつ》とし....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
涼剤を与えられたるごとくに嬉しいのである。 マンションクラブの一夜は、お隣から
急雨のごとく響ききたる変電所の騒音に明けて、八時半の急行列車に乗る。有楽町駅から....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
り。歌に景曲は見様《けんよう》体に属すと定家卿もの給うなり。寂蓮《じゃくれん》の
急雨|定頼《さだより》卿の宇治の網代木《あじろぎ》これ見様体の歌なり。 とあり....
「西航日録」より 著者:井上円了
千五百マイル余なりという。十八日(日曜)、午後二時マルセイユ港抜錨。十九日、夜来
急雨あり。気候にわかに暖を加う。二十日早天、スペインの連山を見る。その高きものは....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て船を送り来たる。正午の暑気八十度に達す。午後四時ころより天候にわかに変じ、烈風
急雨、天地ために暗し。この風浪の中に、海鵝のひとり飛揚せるあり。夜に入りて風収ま....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ら、詩を歌う節でもなく、そうかといって、ただの言葉でもない低声で、
大絃は※々
急雨の如く
小絃は切々 私語の如し
※々切々 錯雑に弾ずれば
大珠小珠 玉盤に落....
「三国志」より 著者:吉川英治
その後、終南山にひそんでいたが、天子ここを通ると知って、にわかに手勢一千を率し、
急雨の山を降るが如く、野を捲いて、これへ馳けて来たものだった。 楊奉の部下に、....
「三国志」より 著者:吉川英治
、やがて天を焦がすばかりの火となった。 「呉兵だ」 「伏兵だぞ」 すでに矢風は
急雨のごとく身辺をかすめていた。 かねての覚悟、関羽は偃月刀を馬上に持ち直して....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
せいだろうか。その撥音は、かの琵琶行の詩句をかりていうなら―― 大絃ハ※々トシテ
急雨ノ如ク 小|絃ハ切々トシテ 私語ノ如シ ※々切々 錯雑シテ 大珠、小珠、玉盤....