性に合う[語句情報] » 性に合う

「性に合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

性に合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
母親はおろおろの声である。こういう心配の揚句、玉子と浅草海苔が、この子の一ばん性に合う喰べものだということが見出されたのだった。これなら子供には腹に重苦しいだ....
河明り」より 著者:岡本かの子
がら……」 娘は始めて当惑の様子を姿態に見せた。 「あたしは、随分、あの人の気性に合うよう努めているんだけれど……なによ、その伎倆っていうの」 年長の芸妓は....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
病気でお困りの方があって、薬をくれろと仰しゃれば、癒る癒らないは、それはまた薬が性に合うと合わん事があるけれども、盛るだけは盛って上げるて」 鐵「へえー、斯う皆....
薬草取」より 著者:泉鏡花
掴に比べては、勿体ない御料理と思った。それにくれるのが優しげなお婆さん。 地が性に合うで好う出来るが、まだこの村でも初物じゃという、それを、空腹へ三つばかり頬....
華々しき一族」より 著者:森本薫
。(須貝に)御免なさい。 昌允 うん。 美※、去る。 昌允 僕は算盤をはじく方が性に合うんです。物を創るなんて言う柄じゃないですね。 須貝 (面喰って)え、ああ....
白藤」より 著者:宮本百合子
の男は相当のものだ」 と云ったりしていた。 「あの熱のあるところが、お孝さんの気性に合うのだね。ただの役者じゃないよ」 そして、感慨ふかげであった。 「お孝さ....
千代次の驚き」より 著者:豊島与志雄
そのくせ可愛いいといったような、そういう笑いかたなんです。そんなのが実はあたしの性に合うので、いい気になってると、ふいに、考えこんでおしまいなさる。かと思うと、....
この握りめし」より 著者:岸田国士
という男は、前科こそないけれども、札つきのいかさま師で、政治と賭け事がなによりも性に合うと自分で言いふらし、事さえあれば顔役気取りで問題の納め役を買つて出るのだ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
じ》は真平じゃ。天涯独歩《てんがいどっぽ》浪人《ろうにん》の境涯が、身共には一番性に合うとる。はっはっは。」 こうした玄内の述懐を耳にするたびに、お痛わしい、....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ぐみして、颯爽と満面を快風に吹かせてゆく。あるいは、とろんこに寝てしまう。よほど性に合うらしい。 ぼくらは町のハイヤーで先発。春海さんそのほかは、太田君のトラ....