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性急
「性急〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
性急の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ういう蓄音機を実際に製作するのが困難らしいということをほのめかされると、だんだん
性急になってきた。計算計算といって長びいているのは、たんに仕事を長びかせるための....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
一 最近数年間の文壇及び思想界の動乱は、それにたずさわった多くの人々の心を、著るしく
性急《せっかち》にした。意地の悪い言い方をすれば、今日新聞や雑誌の上でよく見受け....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
徒方が湯を呑みに、どやどやと見えますで。湯は沸らせましたが――いや、どの小児衆も
性急で、渇かし切ってござって、突然がぶりと喫りまするで、気を着けて進ぜませぬと、....
「赤外線男」より 著者:海野十三
リと鳴った。帆村はキラリと眼を輝かすと、電話機を取上げた。 「帆村君を願います」
性急な声が聞えた。 「帆村は私ですが、貴方は?」 「ああ、帆村君。私です。捜査課....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
は、直接犯行に関係があるのかい」 「そこに実は迷っている」と帆村は煙草をスパスパ
性急に吸った。「その女が犯人らしいところもあると思う。そいつは踏みつけられたゴー....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
法衣の袖に春がそよぐ。 (錨の杖を抱きて彳む。) 公子 (衝と押す、闥を排きて、
性急に登場す。面玉のごとく※丈けたり。黒髪を背に捌く。青地錦の直垂、黄金づくりの....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
かくの次第であった処――好事魔多しというではなけれど、右の溌猴は、心さわがしく、
性急だから、人さきに会に出掛けて、ひとつ蛇の目を取巻くのに、度かさなるに従って、....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
帰ったのか。」 「ええ、」 「だってお気の毒様だと云うじゃないか。」 「ほんとに
性急でいらっしゃるよ。誰も帰ったとも何とも申上げはしませんのに。いいえ、そうじゃ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
」 一言あたかも百雷耳に轟く心地。 「おお、もう駒を並べましたね、あいかわらず
性急ね、さあ、貴下から。」 立花はあたかも死せるがごとし。 「私からはじめます....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
みんな淘汰される時が来なくちゃ歌は死なない。 B 気長い事を言うなあ。君は元来|
性急な男だったがなあ。 A あまり
性急だったお蔭で気長になったのだ。 B 悟った....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
て、荒野のなかに板ぶき屋根の宮殿をつくることもできよう、などと考えた。いや、彼の
性急な空想ではすでにこんな希望はかなえられて、この花の匂うようなカトリーナが、子....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
が出て子に取られ)少年はきれいな婦の容易ならない身の上が案じられますから、あとを
性急に開ける、とどうです。 立った乱れ姿で縛られたのが、今度は崩れたように腰を....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
きなさいよ。――貴方は、妙に、沈んで落着いて、考え事をしているように見える癖に、
性急だね、――ちょっと年をお言いなさい、星を占てあげますから。」 と熟と瞳を寄....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
人間においては最も愛し合っている間柄であってさえもわれわれの場合ほど、その愛情が
性急ではなかったことが判る。ベートーヴェンはヴェーゲラーに十カ月目に返事を書いて....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
った漢民族の革命がしかく短日月に行なわれないのは当然であり、私どもの判断も余りに
性急であったのであるが、一面の真理はこれを認めねばならない。劣悪極まる軍隊の結果....