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性慾
「性慾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
性慾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
意を払っていたであろう。しかしそれをそう云わなければ、この楽天家の中尉の頭に変態
性慾《へんたいせいよく》の莫迦莫迦《ばかばか》しい所以《ゆえん》を刻《きざ》みつ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
この残酷な慰安の相手に一人の女人を使い兼ねぬのである。
結婚
結婚は
性慾を調節することには有効である。が、恋愛を調節することには有効ではない。
....
「星座」より 著者:有島武郎
くなって、そこに映るものが不断とは変ってきた。こんな場合、当然起ってくべきはずの
性慾はますます退縮して、ただわくわくするような興奮で身の内が火のように震えだした....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ては神秘な絶大な創造が成就されているのだ。ホイットマンが「アダムの子等」に於て、
性慾を歌い、大自然の雄々しい裸かな姿を髣髴させるような瞬間を讃美したことに何んの....
「『聖書』の権威」より 著者:有島武郎
疑問とに、圧倒される荷を負わされる青年と云う時期があります。私の心の中では聖書と
性慾とが激しい争闘をしました。芸術的の衝動は性欲に加担し、道義的の衝動は聖書に加....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
して死んでゆく所を、活動写真に撮影しようと思ったのでもあろうか。つまり一種の変態
性慾者である。そして、その犯行を遂げるために、最初、男湯に強烈な電流を通じて、浴....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
本尊さまがあるのかを知らねば駄目だ」 「本尊さまって?」 「端的に云えば、君は母
性慾に燃えているのだ。君の自分の血を分けた子孫を残したがっているのだということに....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
りと判って来ましたが、僕は負け惜しみではありませんが、それを直ぐフロイドのように
性慾の本能というハッキリしたものへ持って結び付けることは浅はかだと思います。なぜ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
旧約聖書の聖人達が集っていて、それがみな掌で両眼を覆い、その間に立ったエホバが、
性慾的な眼でじいっと聖母を瞶めている。左側の「カルバリ山の翌朝」とでも云いたい画....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の抑欝から起る麻痺性の疲労なんだ。その証拠が、面皰云々の夢で、それが充たされない
性慾に対する願望だと云うのは、面皰を潰した痕が女性性器の象徴だからだよ。つまり、....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
嘘がつけるかという、嘘の可能性を試してみた小説だ、嘘は小説の本能なのだ、人間には
性慾食慾その他の本能があるが、小説自体にももし本能があるとすれば、それは「嘘の可....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
血はたぎった。ジョーンは上面では大様を装って居た。女に、殊に幼な馴染のアイリスに
性慾を感じさせるような身振りや囁やきをどうしても彼はすることが出来なかった。彼は....
「春」より 著者:岡本かの子
い。今夜のような京子の行為も、いつぞや京子の医者が言ったように、狂者の一種の変態
性慾の現われではあるまいか。この症状が執拗に進展して行ったら、京子はしまいにはど....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
れから浮いて水草の間に手足を働かした。 「やあ、苦しんでやがる」 惨虐な少年の
性慾は異様な満足を感じた。 おとなの嘘から少年の中に綻びた
性慾の赤い蕾は、やが....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
うで怖しかった。それで唇をじっと噛んで我慢しながら先を読んだ。人々は、これを私の
性慾の変形だと片付けそうである。しかし、私自身の生理の歴史を顧みるのに、すべて人....