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「性懲り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

性懲りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
なって来る。同じ毒々しさにも重みがなくて、今にも剥げチョロけそうである。その中に性懲りもなく建てた化粧煉瓦のセメント建築や、昔の焼け残りの大建築が並んでいるとい....
朴の咲く頃」より 著者:堀辰雄
ぱりしたから、どうですかあれをお借りになっては、と不二男さんもすすめるので、私は性懲りもなくもう一遍その豆の花の咲く小家を借りようかと思い立って、再びそれを見に....
幼年時代」より 著者:堀辰雄
うに、二人の少女が小気味よげにそれを見ている木蔭へ戻って行こうとすると、又佐吉が性懲りもなく、背後から、 「弘《ひろし》さんったら、女の子の加勢ばかりしていらあ....
恋愛論」より 著者:坂口安吾
その周囲との関係が常に独自なものなのだから。 私たちの小説が、ギリシャの昔から性懲りもなく恋愛を堂々めぐりしているのも、個性が個性自身の解決をする以外に手がな....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
れるので?」 「またお喋舌りか」と苦笑いをし、頼母はジロリと勘兵衛を睨んだ。 「性懲りもなく又ベラベラと」 「これは、えへ、えッヘッヘッ」 勘兵衛は亀のように....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ぞんじです。しかし、ちょうどそのころ、従兄の財産を相続したので、またまた昔の夢が性懲りもなく首をもたげてきたのです。 現在のこういった企てを心に決めてから六年....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
てR自身、そのために金一封、五百円ばかりを使ったばかりである。 そのRが全く「性懲りもなく」俗に相田屋で通っている一農家――もとここは宿場であった関係上、当時....
澪標」より 著者:外村繁
ことになる。とく子が私を愛したばかりに、このように彼女を辱めたことになる。しかも性懲りもなく、痴態の限りをつくしている。人間の愛とは、所詮、こんなものか。人に嘲....
落日の光景」より 著者:外村繁
来たような、錯覚にさえ陥った。が、私の喜びは直ぐ苦笑に変った。よい年をして、全く性懲りもない話である。私はその執念の深さに呆れ返った。しかしそのことに関しては暫....
港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
世間の問題になりかけた時、マニラ生れの日本人だと云う歌劇の一座が来たのです、私は性懲りもなくまたその座頭だと云う女優に眼をつけて、それに関係をつけたのですが、そ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
にかたまった人間の怒号が黄いろい埃につつまれていた。 「間者だな! 大坂の」 「性懲りもなく」 「ぶっ殺せ」 口々にいって、石工や土工や工事奉行の配下は、みな....
三国志」より 著者:吉川英治
来を陣頭へ押し出した。 許※は彼のすがたを見ると、 「逃げ上手の卑怯者め。また性懲りもなく出てきたか」と、駒をとばして来た。 悪来は、あわてふためくと見せか....
私本太平記」より 著者:吉川英治
廻廊では、物見の偵報をみな笑った。 「何、たッた六、七百騎の宇都宮勢だと?」 「性懲りもない奴らだ。さきの隅田、高橋の大敗も見たろうに」 「いや、あまりひどい負....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
「これが死ぬ前の顔か」とひとり眺めたほどな記憶がある。 どうも、よくよくぼくは性懲りのない男とみえる。従来、こういうばかさを何度やってるかわからない。そして、....